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2013/02/13 01:35 - 2013/02/11

終わってしまった「Amazonガチャ」のサービス検証 - 変われる道はあったのか?


不定期コラムです。こんばんは。
 
先日、「Amazonガチャ」 なるサービスが登場して物議を醸しました。
2/4にサービス開始し、色々な批判を受けて2/5には補足説明が
出されましたが、2/8には早くも サービス終了が宣言 されました。
 
■Amazon非公式「Amazonガチャ」に「商標権侵害では」と批判 新規受付中止 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1302/06/news035.html
■「Amazonガチャ」終了 「迷惑をかけた責任を取る」 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1302/08/news106.html
 
「Amazonガチャ」とは、筑波大の学生ベンチャーが始めた
サービスとのことですが、簡単に言うと、Amazonを使った
購入代行サービスです。毎月5,000円 支払うと、
各種手数料文を除いた4,500円ぶんを使って
 
 Amazonの商品の中からランダムに選んだものを
 
送ってくる、という仕組みです。Amazonそのものを使って
ガチャをまわすようなもの、ということで「Amazonガチャ」
という名称になっています。コンセプトは、
 
 『何が届くかわからない、偶然性を楽しむ趣味サービス』
 
とのことでした。

 
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1302/08/news106.html

 
私はこのサービスの概要をざっと読んでみて、
 
・サービス名で Amazon.co.jpの関連サービス であることを想起させるのは
 マズいだろうな。大きなビジネスにするつもりなら 早々に改名 だろうな。
 
とは思っていました。単純に他人の名前を勝手に使ってはいけない、という
ルール的な話だけではなくて、実際にAmazonに質問やクレームなどの問い合わせが
行く可能性や、本家の評判を損ねる活動をされたりする可能性があるため、
Amazon側には 「実害」が出るリスク があるためです。
 
一方、サービスコンセプトそのものは、それほど「問題」とは思って
いませんでしたので、急に批判が殺到してサービスを畳んでしまったのは
ちょっと気の毒な展開だという気持ちもありました。
 
もちろん、サービスが上手くいくかどうかについては 懐疑的 で、
 
・これはお客が付かないな。最初は興味本位で頼んでみたお客も、
 1~2ヶ月したら バカらしくなって解約 するだろうな。
 そこからどうやって工夫を加えていけるか、がある意味スタート地点かな。
 
というくらいの考えでした。
 
やまもといちろうさんもこんな風に指摘されていますが、
 
■『Amazon ガチャ』は良トライだったんじゃないの: やまもといちろうBLOG(ブログ)
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/02/amazon-e98a.html
どうも「迷惑をかけた」ということのようなんですが、本当に議論になるのはamazonの商標権や不正競争の問題ぐらいだろうと思います。サービス自体にそれほどの需要があるとは思えず、顧客獲得に苦労をしそうだから話題になっているうちに旗を降ろして違うサービスを立ち上げるための知名度の肥やしにしてしまえ、という割り切りであるならば、実に面白い感じの起業家集団なんじゃないかと。
さすがに「出して引っ込める」を「売名」と割り切って 計算高く振舞って
NEXT STAGEに行くというのは高度すぎとしても、とりあえずハッキリとした
リスクであった「Amazonガチャ」というサービス名称を早めに取り下げた上で、
その後お客にどのように酷評されるのかを身をもって体験されてから
次の工夫 につなげていくというのはアリなのではないかと思っていた次第です。
 
しかし実際には、上述のとおり開始から4日目には旗印を下ろすこととなりました。
最初によろしくない評判が一斉に流れてしまったことで、挽回は不可能だと
思ったのかもしれませんし、心が折れて しまったのかもしれません。
サービスのローンチというのはかくもデリケートなのだと思い知らされる場面でした。
 
 
ここでは、公式発表の資料はいろいろ残っていますので、その中身を見ながら
「Amazonガチャ(享年4日)」をもうちょっと何とかできなかったのか、
みたいなお話をしてみようかと思っています。
 
■本サービスのリリース資料(.pdf) - 2013/02/04
http://beartail.jp/pdf/201302041200.pdf
『何が届くか全く分からない! 毎月ランダムにAmazonから定期的に代理購入する
「Amazonガチャ」を提供開始!~あなたはAmazon上の商品をコンプできるか?~』
 
■本サービスの詳細説明資料(.pdf) - 2013/02/05
http://beartail.jp/pdf/201302050630.pdf
『弊社サービスに関する説明~説明不足により誤解を与えたことに関して~』
 
■弊社サービス終了に関する説明(.pdf) - 2013/02/08
http://beartail.jp/pdf/201302081630.pdf
https://www.dropbox.com/s/rnngeogwtsubqyh/Add_info.docx
『弊社サービス終了に関する説明~説明不足により誤解を与えたことに関して~』
 
■弊社サービスに関する説明(.png)
https://www.dropbox.com/s/v42e3d1b7kc11bg/201302050630.png
 
何というか、たいへん素直な公式資料 が並んでいて、分かりやすい
ですので、ご興味のある方はざっと一読してみることをオススメします。
 
 
さきほどもお話をしたとおり、表面上クリティカルな問題は商標
くらいのものでした。しかしそれ以上に悪評(?)がヒートアップ
したのは、そもそも サービスとしての魅力 を感じて
もらえなかったからでしょう。
 
このサービスは毎月5,000円を支払って、paypal手数料 220円
Amazonガチャ自体の手数料 280円 を差し引いた4,500円を
原資としてAmazonの商品を注文します。
 
 ・5,000円払って、「確実に4,500円の価値」 ぶんの
  ものしか届かないのが分かっている。
 ・本当にランダム。ジャンルも選べない。
  おおよそ何がくるか見当も付かない。
 
というだけで、リスクだらけでお得感がほとんどないことは一目瞭然です。
 
そういう意味で運営側も「これはお得なおまとめサービスではなくて、
驚きを楽しむ サービスなんだ」という説明をしているワケですが、
そうはいってもわざわざ 「お得感は確実にゼロ」 なのが
ここまではっきりしていると萎えるというものでしょう。少しくらいは
何かお得なチョイスになりそうな「雰囲気」くらいあっても良かったものです。
 
 
ちょっと シミュレート してみましょうか。
Amazon全体の検索というのはAPIを連打することになるため、
あまりやりたくありませんので、ここでは「あまとも」で過去に扱った
商品の中からランダムに選ぶお試しロジックを作ってみました。
ロジックは全く違いますが、雰囲気はつかめるのではないかと思います。
 
 

↑押すとサブウィンドウが開いて、Amazonガチャっぽいシミュレートができます。
 
 
このボタンを押すと、2010-2012年頃にあまともに登録された3200円以下の
商品だけ (約4万点) から、4500-4700円前後の合計額になる組み合わせを
ランダムで抽出します。ただし、価格は参考値として 最安値記録時 のものを
用いていますので、現時点の価格とは異なります。その点だけはご注意ください。
 
ためしにやってみるとこんな感じです。
 

 
・TWINBIRD LEDベッドライト専用 メガネとケータイが置けるトレイ ブラック LE-AF71B
・パール金属 グルメクック シリコーン加工 ガラス窓付立つパンカバー24-28cm用 H-7899
・Winning Post 7 2010 (Windows版)
・HAKHBA デジタルカメラ液晶保護フィルム Canon PowerShot A495専用 DGF-CPSA495
 
これでも「Amazonガチャ」のシミュレートとしては かなり手加減をしてある
点にはご注意ください。「あまとも」は誰かしらが気になると思ってウォッチに
加えた商品だけが対象ということで、最初から何かしら魅力のある商品が多いです。
 
さらに最新価格を調べなおすのはAPIが辛いため、ここでは過去の最安値を代表値
として表示・計算しています(現時点ではこんなにお安く買えないものがほとんどです)
さらに書籍はほぼ対象外のため、有象無象の書籍 で埋められることもありません。
 
それでもまぁ、こんな感じ(ふっ・・) です。いかがでしょうか。
一番上の「メガネとケータイが置けるトレイ」なんていうのは、完全に同社製
ベッドライトの専用品ですね。一番下の保護フィルムもCanon PowerShot専用品です。
 
 
何となく「Amazonガチャ」の 構造欠陥 が1つ見えてきたでしょうか。
 
「Amazonガチャ」には、驚きとかいう以前に、
 
 確実にゴミになるクリティカルなもの がかなり混ざってきます。
 
これをサービスの問題としないほうが不思議です。
例を挙げるとこんなものが該当します。
 
 (a) 単体で成立しない商品
  ・例)持っていないゲーム機のゲームソフト
  ・例)特定機種用デジカメのバッテリー
  ・例)LGA775ソケット用CPUクーラー
 
 (b) 続き物の商品の途中の一品
  ・例)「ワンピース 45巻」
  ・例)「銀魂 04 DVD」
 
 (c) すでに自分が持っている商品
  ・例)(何でもいい)
 
こういう商品は送られてきても本当に途方に暮れてしまうというか、
ハッキリ言えばただのゴミにしかなりません。
しかし「Amazonガチャ」は基本的にランダムなため、こうした結果的に
ゴミ化しやすい商品も、最初から 選り分ける気はない という姿勢です。
 
商品の選別ロジックとそのランダム性は、2/5のサービス説明資料に詳細に
記されていました。
 
【2:商品抽出方法】
商品ランダム抽出の方法は下記のとおりです。
a)現代用語を含む 約85万語の辞書 から任意に1用語を抽出
b)その用語をキーワードとしてAmazonで全カテゴリを対象に検索をかける
c)最もキーワードにマッチしている商品を抽出する
d)購入予定額(4600円)と比較し、商品価格が予定額に収まっている場合は注文実行、超えている場合はa)へ戻り再度実行
※購入予定額ははd)が終わり次第計算しなおし、4500円以上の買い物をするまで繰り返す

Amazonの膨大な商品点数の中からどうやってランダムに商品を選ぶのか、
というのがAPIの使い方的に謎だったのですが、これを読んで理解できました。
 
ランダムに選ぶのは 「1つのキーワード」 のほうで、
そのあとそのキーワードを使ってAmazonのカテゴリ検索をして
(おそらく数百点の商品の)母集団を作るのですね。
 
いずれにせよ最初のキーワードの選別が完全にランダムである時点で、
上述のような頭を抱えたくなるような商品が混ざりこむことは
避けられません。たとえばキーワードとして 「エアコン」 が選ばれたら、
特定機種用の取替えフィルタ などが入ってくるでしょう。
 
 
Amazonガチャとの比較として、「福袋」「料理人のおまかせ」
みたいなものには需要があるじゃないか、というお話は各所で見られました。
 
しかし、そうしたおまかせ系サービスというのは、
 
 ・選べない代わりに、金額的には盛ってある ことでお得に感じる(例、福袋)
 ・選ぶ人に 「良いものを選んでくれる」 という信頼がある(例、料理人コース)
 
のいずれかの前提が存在しているからこそ成立しているのです。
上述の例でいえば、「○○機種専用△△」みたいなものは、福袋にだって
入れないようにしてあげるようにするのが店側の情けというものです。
 
「Amazonガチャ」は「金額的にお得」である可能性は最初から絶対にない
ことが確実ですし、良いものを選んでくれるという 信頼も最初からゼロ
であることが上記のとおり確定しています。(だってランダムですし)
 
こういうチョイスもののパックは、得したと感じるか、損したと感じるかは
モノによりけり、人によりけり、そして何が届くかの運次第です。
しかし、「期待値」はどうでしょうか。
 
 Amazonガチャで届く商品の「期待値」の低さは、
 
やる前から「丸見え」で「どん底」でした。これはサービスとして苦しいだろうな、
お客が集まらないか、集まってもすぐ飽きて離れていってしまうだろうな、
と思った根拠はここに集約されます。
 
 
じゃあこのサービス、どうしたら良いのでしょう? というお話は
最後にちょっとだけすることにして、ここではもう少し
気になった点について触れておきます。
 
 
1つめは 取引相手は誰か、というお話。
 
「Amazonガチャ」では、利用者は支払いをpaypalですることに
なります。何を言っているのかというと、利用者はAmazonで
商品を購入しているワケではなくて、「Amazonガチャ」から購入
しているのですね。Amazon側にも自分のアカウントの購入履歴
として載るわけではありません。
 

 
しかし、説明図をみると、商品は Amazonから直接送られて
くることになっています。ということは、実際のところは不明では
ありますが、Amazonの 「ギフト機能(発送先住所指定)」
を利用する形になるのでしょうか。これを使うと「Amazonガチャ」
が購入者で、配送先を「利用者」の住所にできます。
あくまで商品を購入しているのはAmazonガチャ運営者です。
 
ということは、シンプルに考えれば、もし商品に不備があって 返品など
したい場合には、Amazonガチャ運営にクレームを入れることになります。
Amazonガチャそのものはランダム性のあるサービスですので、気に入らないからといって
返品は許さないと思いますが、商品が壊れて いたりする場合にはどうしたって
返品は受け付けなければなりません。これは金銭を受け取っている側の義務でもあります。
 
ところが、上述のAmazonの「ギフト機能」というのは、実は、
 
 ギフトを貰った人が返品することもできる
 
なんていうウルトラCな仕組みになっていたりします。

■ギフトとして受け取った商品の返品・交換方法 | Amazon.co.jp ヘルプ: 返品・交換手続きの流れ
http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=200936070#gift
ギフトとして受け取った商品でも、返品・交換が可能です。商品の返品の場合、返金処理が完了しだい、次回のご注文にお使いいただけるAmazonギフト券をEメールでお送りします。以下の手順で手続きをしてください。
どういうことかというと、ギフト機能で商品を貰った人が、開封をする前に
「これ要らない!」 といってAmazonに返品すると、Amazonは商品と
同額のAmazonギフト券 に振り替えてくれる、というのです。
Amazonは未開封商品をまた在庫に入れることができるので
単純に損はしないとはいえ、何とおおらかな対応でしょうか。
 
・・・「Amazonガチャ」のお話に戻ると、これが火種になりうるというのは
容易に想像が付きます。利用者がとりあえずAmazonガチャで頼んでおいて、
「要らないものはAmazonに返品すればいいや」なんていう テクニック
常態化する可能性があるわけです。
 
通常、Amazonは基本「返品自由」な商品が多いのですが、それはあくまで 常識的な頻度
でのお話です。あまりにも最初から 返品上等で注文 する人には個別に警告が行き、
それでも止めない場合にはアカウント凍結もありえるということになっています。
 
通常は購入者と受取者が同じですのでこれでも良いのですが、Amazonガチャが
もしギフト機能を使って購入を乱発し、そこから利用者の返品が大量に発生して
しまうと、Amazonガチャ運営による購買そのものが 警告対象 になりかねません。
 
何だかこんがらがってきてしまいますが、利用者にとって、サービス全体の
前提を崩すような挙動を取ることが最適行動になってしまっていたりすると、
サービス設計の根幹が崩れてしまいます。非常に難しいところです。
 
 
2つめは 収益としてアフィリエイト が効くのか? というお話。
 
上述のとおりAmazonガチャの収益源は手数料の「280円/月」の部分のみですが、
購買する商品の数はとんでもない量になるのだから、アフィリエイト収益で
ウハウハだろう、というお話があります。しかしそうもいかないようです。
 
代理購買などをやらずに、普通に商品紹介だけをして、購入自体は利用者本人に
やらせる形を取ればアフィリエイトは成立するのですが、上述のとおりこの仕組
みでは商品を購入しているのはAmazonガチャ運営者ということになります。
Amazonアソシエイトでは、本人による購入 は全てアフィリエイトの対象外となります。
 
複数アカウント を使って運営すればいいじゃないか、という声もありますが、
実際にはそういう小細工はほぼ通用しないと思ってよいでしょう。
 
アフィリエイト収益の支払いは 銀行振り込み になりますので、身元が完全に
割れている状態になります。その収益はAmazonガチャの収益として計上して税金を
支払わなければなりませんから、「本人ではない」 なんて言い訳は法的にも通じません。
これは明確な規約違反ということでアフィリエイトは全て無効とされるでしょう。
 
先ほどの返品の件と同じく、小規模なうちは特に問題視されていなくても、
大規模になると 個別調査 が入りますので、これが見逃されることはまずないと思います。
 
ということで正攻法での収益源は 手数料280円のみ ということになります。
1万人集まっても月額280万円。この数字が企業活動として十分かというと微妙なセンではあります。
 
 
3つめは、なぜ 商品選定ロジックの詳細説明 が為されたのか? というお話です。
 
実はAmazonガチャのサービスが出た当初、
 
「Amazonマーケットプレイスに 自分でゴミ商品を言い値で
 出品しておいてそれを買わせれば詐欺同然のボロ儲けだよね」
 
という話が出ていました。確かにそういう「仕手」みたいなことは原理的には可能です。
そこで運営としてはわざわざ「Amazonマーケットプレイスは 対象外です」という
補足説明をせざるを得ませんでした。
 
しかし、あそこまでランダム選定ロジックをはっきり公表する必要まであったのでしょうか。
というのも、どんな選び方をするか、というのはサービスの魅力を作る意味でも
他社に容易に知られてはいけない コア部分 だと思われるからです。
 
しかし、そうせざるを得ない理由はまだ残っていたのかもしれません。
上記のようなボロ儲け手法の派生ビジネスの可能性は残っています。
 
 それは、特定企業とのタイアップです。
 
例えばですが、Amazonガチャが商品選定ロジックを明かしていなかったとして、
ある音楽レーベルとタイアップ契約を結んだとしましょう。すると、普段はランダムに
商品を選んでいたAmazonガチャに、そのレーベルから新譜が発売されるときだけは
利用者全員のカゴに その新譜が「何故か」紛れ込んで いる、なんてことが起こりかねません。
 
すると、そのレーベルは放っておいても CDが(無理やり)飛ぶように売れます。
(まぁこれだけ見ても、何でもいいからランダムで買いたい、なんていうお人よしな
 考えは商売において「良いカモ」であることが分かろうというものですが・・)
 
サービスとしては「こういう行為をするのではないか?」と疑われたら最後です。
 
従って、ある意味サービスの根幹である「ランダムな商品の選び方」まで
詳細に説明をして、潔白をアピール するほかありませんでした。
それはそれで立派な姿勢だと思うわけですが、何というか、詰め将棋のように
ビジネスの器が狭まっていく のがひしひしと分かると思います。
 
 
ということで、サービスそのものの魅力のほかに、気になった点を3つほど
挙げてみましたがいかがでしたでしょうか。本当にビジネスって難しいですね!
 
 
最後は話を戻して、この「Amazonガチャ」、サービスとしてどんな
工夫の余地 がありそうなのか、という点について
ちょこっとだけ触れておきましょう。
 
進化の方向性としては、3つほどすぐに思いつきます。
(他にも色々あると思います)
 
 1. ランダムのままでいいから 「当たり」(高額) を仕込む
 2. ジャンルを絞って選ばせて、ハズレ感を減らす
 3. 利用者の好みに合わせた 「良いチョイス」
  選べるロジックを作りこむ
 
1.は・・・正直いってちょっと茨の道になるでしょう。
どんな当たりを仕込むかという話もあるのですが、その前に、
 
 「掛け金5,000円のリアルくじ」 という位置づけ
 
になるということがどういうことか、という問題を真剣に考えなければなりません。
詳しくは 「景表法」「賭博罪」「富くじ罪」 あたりとじっくり睨めっこ
して頂ければと思うのですが、何かもうその時点でちょっと嫌気が差してきますよね・・。
 
3.は非常に良い筋だと思うのですが、実現もそれなりに大変という問題があります。
十分な量の ユーザ・フィードバック を得なければ、こういうレコメンド系のロジックは
作りこめないわけですが、Amazonガチャは利用者が自分で選んで買っているわけでは
ありませんので、利用者の好みを収集する機会もAmazonガチャ運営にはありません。
 
利用者にアンケートなんてしていたら全自動の魅力は半減ですし、
どうやって上手いチョイスを作り出すかというのは思案のしどころでしょう。
 
2.は一番わかりやすく、かつそれなりに効果が出やすい方法です。
「Amazonガチャ」については 「音楽CDに絞って使えるなら」 「書籍に絞って使えるなら」
といった条件つきなら興味がある、という声はいくつか聞かれていました。
まずはそのあたりが突破口になることは間違いありません。
 
それでもジャンル全体の中からランダムに選んでいたら、まだ ハズレ感はかなり残る
と思われます。ランキング上位の傾向を参考にしたり等の工夫の余地はまだありますが、
人気商品を狙い始めると、「すでに持っているもの」「知っているけどいらないと判断したもの」
が高確率で入ってくるでしょう。お得感とサプライズのさじ加減を調整するのが腕の見せ所です。
 
ふと思ったのですが、こうした「ハズレ感」から一番逃れられやすいのは、
 
 実は「食品」なのではないか
 
と思ったりします。Amazonには生鮮食料品はありませんが、カップめんなどの
長期保存可能な食品は沢山あります。
 
 ・カップめん、即席めん
 ・レトルト食品
 ・お菓子類
 
といった感じでジャンルを選んで、それが毎月4,500円ぶん届くならどうでしょうか。
少なくともこうした食品には 「食べられないもの」 は混ざっていませんので、
ハズレ感は他のものに比べたら少ないはずです。
 
「そんなんだったら 自分でドンキでも行って まとめ買いするよ!」
というのは誠にごもっともなのですが、でも、大ハズレはできるだけ無くして、
ちょっとしたサプライズ も来ることがある、という意味では、Amazonガチャが
当初目指していた「偶然を楽しむサービス」には一歩近づいているともいえます。
 
 
これはあくまで1つの例ですが、このように「あの分野に絞って」「こういう
売り方をすれば」など工夫を凝らしていけば、ちゃんと価値を認めてもらえる
サービスに近づいていく可能性はまだあるでしょう。
 
業界全体を見れば、同じようなことをすでに考えて実践しているプレイヤーは
大昔から沢山 います。ただ、Amazonをプラットフォームとして使うことで
自分で発送業務をしたりせずローコストオペレーションを実現できるのでは、
という考え方はまだ一考の余地がありそうです。
 
ビジネスにとって「思いつきのアイデア」というのは、考え始める「最初のきっかけ」
みたいなものです。大抵は思いつきは面白いと思ったものの、実際にやってみると
お客さんにちっとも喜んでもらえない ことがほとんどです。
 
そこから色々な嗜好を凝らしたり、技術力で乗り越えたりして、
「今までに無かった、自分なりの道筋」 を作り出して初めて「サービス」と
いえるのだと思いますが、そういう意味では「Amazonガチャ」の考え方の
2手~3手先がどうなるのか、ちょっと見てみたかったというのが本音です。
 
そうはいってもAmazonガチャ自体は、これでひとまず終息なのでしょう。
これからもネット上には星の数ほどのサービスが生まれては消えていきます。
サービスを 「生み出して」「続けていく」 というのは、本当に大変なことです。

CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。



投稿者 CK : 記事URL | コラム | | 2013/02/13 01:35


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▼ コメント ▼

No.33202   投稿者 : snow-wind   2013年2月13日 23:37

つまり、コミックダッシュのユーザーを対象に、「登録者が持っていないが傾向の近いユーザーが持っている本にバイアスをかけた上で、ランダムで漫画(シリーズ物なら1巻)を送ってくるサービス」を立ち上げるのが最適解と言う事ですね。
それなら、ちょっと試してみたい気がします。


No.33203   投稿者 : とりすが   2013年2月14日 09:50

・ランダムで指定金額の商品を選ぶ
・選ばれた中から不要な物は削除できる
・まとめてアマゾンの買い物かごに入れて購入できる

こんな感じのサービスなら使っても良いなと思いました。
そもそもランダムで選択するシステムができていたかも微妙に見えますが。


No.33365   投稿者 : こだま   2013年3月19日 04:39

このサービスの本質は無意識に限定、選択されている消費行動にランダム性を与えて個人の嗜好に新しい風やきっかけを与えるものだと解釈しています。
計画されすぎたパック旅行よりも、不確定要素を含むバックパック旅行の方が人生観を変える経験に出会えるみたいなものでしょう。たぶん。

そうなると、定期購買が正しいアプローチだったのかは疑問があります。イベントに重ねるとか、プレゼント交換的な多人数方式とか。

結局よくわかりません。
きっとリスクを取らないことは不可能だったろうし、人間の嫉妬は怖いと言う話なんでしょうか。


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