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2005/04/10 23:59 - 2005/04/10

「インフラ」としてのネット、「業態」としての草の根メディア

カテゴリ : コラム タグ :

    日曜コラムです。こんばんは。
     
    昨今は 「マスメディア vs ネット」 という不思議な対立が話題になります。
    比較対象として、インフラ/ツールとしての「テレビ/新聞 vs ネット」、
    あるいは情報組織の業態としての「商業メディア vs 草の根メディア」、
    という方向で話が進むのであればある程度の納得感もあるのですが、
     
     「ネットのようないい加減な草の根情報の集まりだけでは、
     テレビや新聞のような真剣なメディアの確実性には敵わない」
     
    といった 頓珍漢な声 が、得てしてテレビや新聞に近しい側の
    方々から聞こえてくるようになると、流石にちょっと、
     
     「それは、判っていてワザと論点を捻じ曲げてるでしょ」
     
    と、ひとこと口を挟みたくもなろうというものです。
     
    どのあたりが捻じ曲がっているのかというと、「ネットには草の根情報しか無い」
    かのような誘導をしようとしている点が1つです。つまりネットに重心を置いた
    商業メディアというものが当然存在し得えるということに言及していません。
     
    例えば Impress というメディアはその「ネットに重心を置いた商業メディア」
    の1つでしょう。彼らの収益の中心は紙メディアかもしれませんが、彼らの
    プレゼンスを支えているのは大部分がネットでの活動に拠るものであり、
    もはや彼らの業態全体が 「ネットあってこそのImpress」 になっています。
     
    商業メディアがネットで無料で情報を垂れ流すことは、既存商業メディアの方々が
    一番嫌がる 「情報の安売り」 に他なりません。しかし、ネットを使うことで
    最も的確なタイミングで最も的確な情報をユーザに届けられるのであれば、多少
    痛みを伴ってもそれを敢行した人にこそ、大衆は信頼を寄せるようになります。
    その信頼を得て初めて、信頼を別の方面から利益に還元することが可能になるのです。
     
    求めるならまず与えよ、という 情報チキンレース。新聞社もそのチキンレースに
    乗るしかありませんでした。新聞各社は今、新聞購読者が減るのを判っていながら、
    苦虫を噛み潰す思いでネットでのニュース提供に力を入れています。
    つまりこれは、「情報組織」として商業メディアな彼らが、「伝達インフラ」として
    新聞紙ではなくネットを選ばざるを得ない状況になってきた、という話であり、
    商業メディアにとって、ネットというインフラをうまく使えるかどうかが、
    得られる信頼(=ビジネスの素)の量 を左右するようになったということです。
    情報を安く早く提供するチキンレースに勝っていかなければ、そもそも
    「大衆の信頼」という最も基本となる資産が削られていってしまうのです。
     
     
    もう1つ、捻じ曲がっているポイントは、商業メディアと草の根メディアを
    比較して 「情報の確実性では相手にならないよ」 と言っている点
    です。まるで自動車メーカが、自転車メーカに対して、
     
     「所詮、速度でみればクルマの圧勝ですから」
     
    と言い放つようなモノで、これは「そりゃあ 自分に優位な点だけを
    比較すれば、そうもなるでしょうよ・・・」、ということにしかなりません。
     
    自転車には車庫も要らず、税金も掛からずガソリン代も掛からないという
    利点があるように、草の根メディアにも、商業メディアにはない様々な
    利点があり、それが故に存在が認められているワケです。
     
    「存在を許される情報」 の敷居が低い
     情報に一定規模の需要が無いと扱うことすらできない商業メディア
     とは違い、意志さえあれば情報を存在させることができます。
     
    ■情報を爆発的な人数で効率よく 「デバッグ」 できる
     情報に、あらゆる人々が賛同、反論、補足、検証などの情報を
     付加し続けていくことができ、情報は無限に深みを増していきます。
     
    ■情報提供者の 「得意分野」が集積 される
     「編集部」のような固定人材組織とは違い、話の進行に応じて、
     その話題を最も得意分野としている人が話をリードできます。
     
    ■人の 「気持ち」を知る ことができる
     事実の情報だけではなく、人の「気持ち」そのものが流通する
     メディアになります。
     
    最初の3点は良く耳にすると思いますが、最後の1点はピンと来ませんか?
    メディア自体が大衆に近しくて親近感がある、といった類の曖昧な効果のお話
    ではありません。他人の気持ちという情報は、実は単なる事実の情報よりも遥かに、
    人間の知りたいという欲求をかき立てる情報なのではないかと、私は考えています。
     
    例えば、ある企業の製品がリコールを出したとしましょう。
    そのときに私たちは、商業メディアから、リコール対象製品の型番や、
    回収交換方法、日時などの情報を得ることができるでしょう。しかし、
    これを受けて大衆はどう思ったか? という情報を知ることができません。
    それを知らずして、状況を理解したことになるでしょうか?
     
    ユーザは実生活で被害を受けて 怒っている かもしれません。
    あるいはむしろ対応が早くて 感心されている かもしれません。
    以前にも同じようなことがあって「もうこのメーカは信頼しない」と
    言っているかもしれません。他社も似たようなものだ、と考えているかも
    しれませんし、このメーカだけ断トツで酷いという人もいるかもしれません。
     
    事実を受けて、人々の気持ちはどう動いたか?
     
    それを知ることのできるメディアとして、草の根メディアは 強烈な潜在需要
    を抱えています。「潜在」需要と表現した理由は、世の中の多くの人々は
    そんなことを「マスメディアの集計」という方法以外で知ることができるとは
    まだ夢にも思っていないからです。気持ち自体を知ることができると判れば、
    多くの人はきっと、それを知りたいという欲求に抗うことはできません。
     
    2ちゃんねるのことを指して、「ノイズが多すぎ」 と仰る方がいます。
    正確な事実情報を取得することだけが目的だと考えた場合、それは正しいの
    かもしれません。しかし実際は、そもそも目的が違って います。
    一見「ノイズ」だと思っていた情報たちは、どれもこれも
     
     他人の「気持ち」が情報化されたもの
     
    なのです。私たちはあらゆる状況に於いて、場の空気を理解するために
    積極的に他人の「気持ち」を知りたがります。場の空気が読めなければ、
    自分が他人と極端にズレていても、それに気が付かなくなってしまうからです。
     
     
    こうした草の根メディアの利点を理解し、その上で、あくまで商業メディアの
    ほうが軸であり、草の根メディアは 補完的なポジションである、という
    論には特に異を唱えません。私も、草の根メディアさえあれば商業メディアは
    要らなくなるという「主従逆転」までは考えていません。
     
    ただし、人々が商業メディアと草の根メディアに依存する割合が、もし
    従来が 100対0 だったとして、将来のバランスが 70対30 になるとしたら、
     
    「将来的に、草の根メディアが商業メディアを上回ることはない」
     
    というのは、果たして 結論として正しい でしょうか?
    同じ情報を受けた上で、私ならきっとこう表現しますよ。
     
    「商業メディア依存度は 減り、草の根メディア依存度は 増える
     
    いずれにせよ、「マスメディア vs ネット」という言葉を、この記事の最初に示した
    ような ミスリードを誘うために 使っているような文脈を見かけたら要注意です。
    商業メディアがネットというインフラをどう活用すべきか、ネットを基盤とした
    効率的な商業メディアを作れるか、というお話と、草の根メディアが商業メディアに
    とってどのような脅威になるのか、というお話は、ハッキリと分けて考えた上で、
    あちこちで聞かれるメディア論の 「それぞれの意図」 を汲み取ってみてください。

    CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
    ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。



    投稿者 CK : 記事URL | コラム | | 2005/04/10 23:59


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    ▼ コメント ▼

    No.1034   投稿者 : too   2005年4月11日 20:24

    2ちゃんねるの「ノイズ」は、見る人や、求めているものが違う人によって現れてくることがわかりとてもすっきりしました~。
    海外の巨体掲示板等の事情なんかどうなってるんでしょうかね~…


    No.1037   投稿者 : メディア探究   2005年4月12日 03:16

    同感です。
    新聞やラジオが滅びることはあり得なくて、テレビの普及後も映画やラジオが共存してるように、シェアが変動しつつも互いの特性を活かして棲み分けが進むということでしょう。「生きるか死ぬか」みたいな極論に議論が流れがちですが。


    No.1042   投稿者 : CK   2005年4月12日 18:00

    ●tooさん
    2ちゃんねるはまさに「人の気持ち」を見るためのメディアですね。
    綺麗に整え終わった後に残る「客観的な情報」は、「気持ち」が全てそぎ落としてありますから・・・。
    海外の口コミ事情がどうなっているのかは私も興味があります。しかし、日本語の2ちゃんねるでさえ
    チェックするものが無数にあるのに、この規模を英語でやられたら私にはとてもチェックできません((((゜Д゜;))))
     
    ●メディア探究さん
    そうですね。お互いのメディア特性に得手不得手があって、適切なバランスを見つけていくことになるだろうと思います。
    ただ、ビジネスという視点で見れば、従来100のシェアだったものが70になるということは、結果だけ見れば単なる「業績悪化」ですから、
    今の勝者(既存のマスメディア)からすれば、「住み分け=大敗北」でしょうね。だからこそ、あれだけ必死にネットを批難しているのでしょう(・ω・)
    結局は同じパイをみんなで食べ合っていて、今まで全部のパイを食べつくしていた人が、食べる量を減らされるというお話かな・・・と。


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