20世紀末、DTMはSC-88Proと共にあった・・! SOUND Canvas for iOS は感涙のおっさんホイホイアプリ
昨年11月の「楽器フェア」で参考出展されていた、往年の名機「Roland SC-88Pro」
を完全再現したというiOS用アプリ 「SOUND Canvas for iOS」 がついに登場しました!
■「SC-55」や「SC-88」がiOSアプリで復活、ローランドが「SOUND Canvas for iOS」発売 -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150129_685944.html
■Sound Canvas for iOS徹底活用術[基本編] ~ ついに発売!僕らのGS音源が帰ってきたぞ! : 藤本健の"DTMステーション"
http://www.dtmstation.com/archives/51926814.html
■Sound Canvas for iOS徹底活用術[応用編] ~ 外部音源としてコントロール、レコポ・クローンも!? : 藤本健の"DTMステーション"
http://www.dtmstation.com/archives/51927370.html
AppStoreですでに公開中で、価格は2,000円ですが、2/10までは 特別価格で1,500円
となっています。ただし、CPUがA7以上の機種 でないと動きませんのでご注意ください。
iPhoneなら5s以降、iPadはAir以降、iPad miniは2以降が該当します。
■CPUにA7を搭載している機種
- iPhone 5s
- iPhone 6
- iPhone 6Plus
- iPad Air
- iPad Air 2
- iPad mini 2
- iPad mini 3
さっそく落としてきて iPhone6 と iPad mini Retina (iPad mini 2) でいろいろ
再生してみていますが、あの懐かしき2000年前後の頃のMIDIファイルがものの見事に
SC-88Proの音で再生されてきて、本当に驚くやら懐かしいやらで 涙が出てきます。
私も当時は SC-155、SC-88STPro、SD-90 等でMIDIでの曲づくりに明け暮れて
いたものでしたので、その当時の音がiOSでここまで再現されるとは思いませんでした。
ソース(2001年) : MIDIデータ, MP3データ(原曲), MP3データ(SC for iOSで再生)
参考までにオリジナルの.mp3データ(2001年に録音)と、今回その.midファイルを
SOUND Canvas for iOS で再生したものをライン入力を通して PCで録音してみた
.mp3データを両方置いてみましたので聴き比べてみていただければと思います。
どうでしょう、違いが分かりますでしょうか?
MP3データ(原曲), MP3データ(SC for iOSで再生)
私にはまったく違いが判りませんでした。データの性質にもよるのですが、楽器を
楽器として素直に鳴らした感じのデータであれば、再現性は100%に近いものがあります。
MIDIファイルはiTunesで転送しても良いですが、Webで公開している.midファイル
であればSafariからクリックするとこのように SOUND Canvas for iOS を
アプリとして選択 することもできます。今回のアプリ公開を皮切りに、
ネット上で往年の.midファイルを公開する人も増えるかもしれませんね。
ソース(1998年) : MIDIデータ, MP3データ(原曲)
MIDIをご存じない方のために一応ご説明をしておくと、MIDIファイルというのは
「音」の情報ではなく 「楽譜」 のような情報の塊で、実際にはそのデータを
MIDI音源機器にリアルタイムで送信することで曲としての音が鳴るという仕組み
になっています。従って、MIDIファイル自体は非常に小さいデータサイズになります。
上のデータはMP3だと 10MB、MIDIだと 43KB で、約200分の1ですね。
ソース(2001年) : MIDIデータ, MP3データ(原曲)
iPad mini Retina (iPad mini 2) でもこのとおり。iPadでは画面が余って
いるため曲名表示やスライダー表示の画面も一気に1画面に表示されます。
(iPhoneの場合はスワイプすると切り替えられます)
こちらはMIDIの話になるととりあえず再生してみたくなる私のお気に入りのデータ、
以前もちょこっとだけご紹介をした、ARMさん の1999年のアマチュア時代の作品です。
ARMさんといえば今は「ディーふらぐ!」や「ロボットガールズZ」のオープニング
等を手がけられている作曲家さんです。
SOUND Canvas for iOS の凄さは十二分に感じることができたのですが、
やはり音をいじり倒しているような楽曲になればなるほど、微妙な音の違いが
気になってくることもあります。
■楽器フェアで参考出品!RolandがSound Canvasを復刻だ! : 藤本健の"DTMステーション"
http://www.dtmstation.com/archives/51919880.html
担当者からは「よくわかりますね。その通りです。サンプリングデータは当時のSC-88Proなどで使ったものを使ってはいるのですが、その他の処理は今の技術で行っているので、Sound Canvas for iOSのほうが音質はよくなって いるんです。演算制度が高くなった分、とくにリバーブは断然高品位になっていますね」との答えが返ってきました。
今回の SOUND Canvas for iOS についてSC-88Pro用の曲の再現性はパーフェクト
に近いとおっしゃるメディア記事も多かったのですが、私の印象としては
曲データによって 100%~85% くらいの間のどこかになるという感じがしました。
そして上記の記事のように原理としてはむしろiOS版のほうが素晴らしい部分も
あるのだと思いますが、そこはそれ、これは
「最高品質の音源」という価値よりも「懐古的な復元楽器」という価値
という側面が強いため、オリジナルとの違いがある部分はたとえ良化したので
あったとしても当時の耳を持つ人にとっては 「違い」 として表れてしまう
のですよね。ただ、そうはいっても、これだけiOSの上であの頃の.midファイルを
鳴らすことができたのはそれだけで感涙ものでした。
今もずっと当時の機材を取って置いてありますが、はたして今も動くのかどうかすら
定かではありません(レコンポーザ98 をインストールした PC-9821 V233 と共に・・)。
もし私があと10年遅れて生まれていたら、きっと自分の曲を初音ミクに歌わせて
ニコ動にアップするのに躍起になっていたことでしょうね。
SC-88Proは間違いなく、その当時の アマチュアDTMのメインストリームの象徴
でありました。1996年に登場したSC-88Proが2015年の今、ほぼ20年の時を超えて
ACアダプタも繋がっていないスマートフォン上で動いている
なんて、何とも未来的ではありませんか。
2015/02/01 [updated : 2015/02/01 21:19]

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