Nikon 1 V3 サーキット実戦投入! 高速AF追従連写とWi-Fi連携で機動力を活かせ!

2014/03/24


 
少し間が空いてしまいましたが、SUPER GT第2戦富士で初の実戦投入と
なりました Nikon 1 V3 の使い心地についてのレポートです。
 
ちなみにファーストインプレッションは前回までの記事をご覧ください。

 
■2014/03/11 [まずは外観からチェック! Nikon 1 V3 標準レンズキットと30-110mm望遠レンズ
まずは外観からチェック! Nikon 1 V3 標準レンズキットと30-110mm望遠レンズ]
■2014/03/12 [Nikon 1 V3 を試す。モニタチルトがよく動く。本体Wi-Fi内蔵はやはり便利
Nikon 1 V3 を試す。モニタチルトがよく動く。本体Wi-Fi内蔵はやはり便利]
■2014/03/15 [Nikon 1用30-110mmレンズに1.7倍テレコンTCON-17Xを装着してみる
Nikon 1用30-110mmレンズに1.7倍テレコンTCON-17Xを装着してみる]
 
今回のサーキット撮影では、パドックで人物を撮ったりしているとき
には標準のレンズである 10-30mm PD-ZOOM レンズを装着していますが、
 

 
遠目からコース上の車を狙うときには、今回は全て 30-110mm 望遠レンズ
に加えてOLYMPUSの テレコン TCON-17X を繋げて撮っています。
そういう意味では、画質そのものについてはいくぶん差し引いて考えて
頂くほうが良いとは思います。(画質はレンズのクオリティに大きく
左右される上に、さらにそれを二段重ねにすることになります)
 
私は Nikon 1 V3 に搭載されている「ベストモーメントキャプチャー」
という機能が、サーキット撮影などの動く被写体に対して有効なのでは
ないかという予想をしていて、まず最初に、それを試してみました。
 
■2014/03/12 [Nikon 1 V3 を試す。モニタチルトがよく動く。本体Wi-Fi内蔵はやはり便利
Nikon 1 V3 を試す。モニタチルトがよく動く。本体Wi-Fi内蔵はやはり便利]
一方で、「これは!」と思った機能はこちらです。
「ベストモーメントキャプチャー」 というモードなのですが、シャッターを切ると前後合わせて40フレームくらいを記録してくれて、その中でどれを保存しておくかを撮影後すぐに選択することができます。
 
レースカーが通り過ぎるところとか、ゴルフのスイングでインパクトの瞬間を捉えたいとか、そういう用途にいろいろ使えるのではと思っています。今度レース場でもこの機能を使って試してみようかと思っています。

しかし、実際に使ってみると、意外にも使いにくいことが分かってきます。
 

 
この「ベストモーメントキャプチャー」という機能は上述のとおり
前後あわせて40フレームを記録してくれて、その中のどのコマを
保存するか選べる、という機能です。連写すれば同じじゃん、
という話ではあるのですが、撮影した直後に
 
 確実に良いコマだけを保存して、あとは捨てる
 
ということをすることで、メモリカードを圧迫せず、事後の写真整理でも
苦しまなくて済むのではないかと思ったわけです。ところが、撮影後すぐに
「どれが綺麗に写っているか(ピントが合っているか)」を、
 
 液晶モニタ上で正確に把握することは不可能に近い
 
ことがわかってきました。
 
元々「ベストモーメントキャプチャー」機能では、一番バッチリ撮れて
いるものに自動で保存マークが入れられていて、それ以外も残したければ
自分でさらに選択をして保存マークを増やしていくのですが、
その自動で選ばれた「ベスト」が自分が意図したものになることは稀です。
 
車体が半分欠けている ような構図で「これめっちゃピン来てる!」
みたいな判断をされてベストと判断されてしまうことがかなり多かったのです。
(おそらく自動決定の「ベスト」はピントと構図を元に計算しているのでしょう)
 
そのため、結局は自分で何枚か 保存コマを足す ことになるのですが、
前述のとおり液晶モニタ上ではどれがピンが来てるか甘いかが厳密には分からず、
被写体が一番真ん中に来ているところを保存したらピントが甘々だったり、
ブレブレだったり、ということになりがちです。もしかしたら1コマ前のは
もうちょっとマシだったのかもしれない、と思っても後の祭りです。
 
そんなワケで、初日の午前中いっぱいこの「ベストモーメントキャプチャー」
を試したうえで、私はこの機能の現地撮影での採用を諦めたのでした。
 
一応擁護をしておくと、おそらくピントにハズレが出る心配が要らないような
シチュエーション、つまり対象物があまり動かず距離も変わらないような場合には
もっと効果を発揮することと思います。一番わかりやすいのは 赤ちゃんの写真
とかですね。他にも 集合写真 とか、
 
 つまり 「一番良い『表情』をしている1コマ」 を残したい、
 
といった場合には絶大な効果を発揮するものと思います。
 
 
ということで、前置きが長くなりましたが、私が今回主力の撮影方法として
使ったのは Nikon 1 V3 の一番のウリである 「高速連写」 です。
 

 
Nikon 1 V3 は最大秒間60コマまで連写がいけますが、
 
 秒間20コマ連写まではAF追従モードで連写 することができます。
 
これが Nikon 1 V3 の最大のウリと言って良いでしょう(V2は秒間15コマまで)。
 

 
秒間20コマの連写を選択したうえで、こんな感じでシャッター速度優先で
1/4000まで上げてできるだけ確実に被写体を捉えるようにしています。
晴れの昼間で明るさはこのシャッタースピードでも十分撮影可能でした。
 
このあたりは好みにもよると思いますが、私は基本的に写真を使って
「鑑賞作品」を撮るという意識がなく、確実な「記録」 としての
写真を撮りたいという欲求が非常に強いため、流し撮りなどの
難しいことは考えず可能な限りシャッター速度を短くしています。
 

 
20コマ連写もの勢いだと、キャッシュに収まる30~40枚ぶんを超えると
メモリカードの記録が追いつかなくなるため、一気に取れるのは
せいぜい2秒くらい です。それでもシャッターを押しながら
カメラを動かして被写体を追っていくだけで、私のような素人でも
「決定的瞬間」 を収めることが可能になります。
 
これは今回のレースの一番のハイライトともいえる、Mercedes SLS と BMW Z4 が
GT500車両を挟んでクロスラインをする瞬間の写真ですが、普通に1枚ずつ撮って
いたらこの写真は残せなかったでしょう。
 
オリジナル 7.1MB

 
こんな風に「あの瞬間のあの1枚」がちゃんと残せます。
 
前述のとおりテレコンを噛ませていますので画質が微妙に甘めに写る感じが
否めないのはさておくとして、コース上を走っている車を20コマ高速連写で
しかもAF追従というのは 「相当に使えるな」 というのが今回の一番の収穫でした。
 
ところで、上の写真はシャッター速度優先1/4000秒で撮ったものですが、
実際にEXIFを見てみるとなぜか1/6400秒になっています。
こんな速度にした覚えは無いのですが、あとでマニュアルを見てみると、
 

 
ちゃんと書いてありました。
通常、メカニカルシャッターモード(サイレントモードOFF)にしている
ときにはシャッター速度は最速で1/4000までしか上がらないのですが、
連写時には1/16000まで勝手に上がります(=電子シャッターモードになる?)。
さらにシャッター優先で設定していても、(おそらく撮影環境によって)
勝手に設定が変わることがあるそうです。
 
テレコン付きで撮った写真についてもう1枚、止まっている車を
単写で撮ったものも載せておきます。
 
オリジナル 8.4MB

 
テレコン無しで、標準ズームレンズ10-30mm PD-ZOOM で撮ったものの
サンプルをいくつが上げておきます。
 
オリジナル 7.5MB

 
オリジナル 10.2MB

 
ちらっと見た程度では大して変わりないようにも見えますが、拡大して
みたりするとテレコンのほうが微妙に甘く、標準レンズだけで撮ったほうは
しっかりしている印象がありますね。まぁでも私の言うところの「記録と
しての写真」としてはどちらも十二分に役に立っているといえると思います。
 
以前もちょっと触れましたが、本当に細部の表現を比べようとすると、
以前使っていた マイクロフォーサーズ のPEN Lite E-PL2の
ほうが表現が豊かだったかな、という気がしないでもありません。
(センサーサイズだけではなくレンズの影響もあるかもしれませんが)
 
もっといえばAPS-C/フルサイズセンサーを持った機種のほうがアドバンテージ
はあるのでしょう。ただ、Nikon 1 V3 でも普通撮りとしては十分すぎますし、
高速AF連写の圧倒的な優位性 は何よりも捨てがたいものがあります。
 
 
さて、最後は Wi-Fi送信 です。
 
前回の記事でも触れましたが、Nikon 1 V3 はメディアがmicroSDになりましたので、
Eye-FiやezShareなどのWi-Fi搭載メディアを使ってアレコレすることができません。
代わりにカメラ本体がWi-Fi機能を持っていますので、それを駆使することになります。
 

 
最初は事前テストしておいたアプリとの連携ですんなりカメラ内の画像一覧を見て
選んでいけると思っていたのですが、実戦ではやはり想定外のことが起こります。
このアプリ、カメラ内の写真の一覧を見ようとすると、サムネイル一覧をその都度
すべて取得していくしかないらしく、
 
 すでに数百枚~数千枚撮っていると、一覧が何分経っても出てきません。
 
これはさすがに使い物になりません・・・。一度でも取得済みにした
ファイル名は一覧を受け渡してサムネイル送受信の対象外にしてくれれば
多少マシになると思うのですが・・・。
 
で、どうしたものか、現地ですぐtwitter送信は夢と消えたか・・・と頭を抱えて
いたのですが、いろいろ調べてみると、1枚1枚送る方法 もあることに気づきました。
 

 
メニューから「Wi-Fi」>「開始」ではなく、「再生」>「Wi-Fi送信」のほうを
選ぶと、写真一覧から個別にマークをつけて、マークをしたものだけをWi-Fi送信
する命令がセットされます。その状態でアプリから繋ぐと、
 

 
このように、あらかじめマークされた画像 だけを転送することができるのです。
 

 
これでようやく、現地で撮った写真をすぐにtwitterにアップする環境を整える
ことができてめでたしめでたし!となりました。こういうのも慣れないと
現地で焦ってしまいますが、使い慣れてくると便利さが実感できますね。

こんな感じで、現地からのレポート もかなり即応性高く対応することが
できました。これもWi-Fi機能を駆使してスマホ連携をしたおかげです。
 
 
※追記 iOS版のWMUアプリだとサムネイル一覧も快適だというご指摘を頂きましたので補足記事を書きました。ありがとうございます m(_ _)m
■2014/03/25 [iOS版とAndroid版でアプリの出来がずいぶん違う?! Nikon 1 V3 のWi-Fi機能
iOS版とAndroid版でアプリの出来がずいぶん違う?! Nikon 1 V3 のWi-Fi機能]
 
 
ということで、主にAF追従連写とWi-Fi機能について、実際のサーキット遠征での
経験を元にレポートしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
 
トータルでみると Nikon 1 V3 は非常に気に入りました。繰り返しになりますが、
画質のことを考えるともっと大きな素子やハイクオリティなレンズを持った
大型機種と比較すると少し見劣りする場合もあるかもしれません。
 
しかし、Nikon 1 V3 の圧倒的な機動性は、私のような写真の素人にも
写真を撮る楽しみ を存分に増やしてくれます。それはAF追従連写もそうですし、
Wi-Fiスマホ連携もそうですし、さらにいえば背面モニタのチルトの自由度
なども同様で、持っていてワクワクするカメラであると同時に、
カメラごとの特徴を活かして使い分けをする意味を凄く考えさせてくれる
カメラでもあると思います。
 
たとえば、花や風景などの止まった被写体を真剣に作品として撮りに行く
ときは別の大型カメラを持って行き、運動会やスポーツの試合などには
Nikon 1 V3 を持っていく、といった 使い分け をするのは十分アリでしょう。
 
少なくとも私自身は、サーキットに持っていくカメラはもうこの Nikon 1 V3 で
当面決まり、というくらいには気に入りました。これからもじっくり使い倒して
いきたいと思っています。


2014/03/24 [updated : 2014/05/18 12:30]


この記事を書いたのは・・・。
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No.56080   投稿者 : 優駿   2014年5月22日 23:19

V3ですが、連写時10コマ以上はエレクトロニックシャッター限定です。
メカニカルシャッターは秒6コマの時まで。

同じくV2だと秒5コマまでメカニカル、秒15コマ以上はエレクトロニック、
V1だと秒5コマまでメカニカル、秒10コマ以上はエレクトロニックです。

いずれの機種も、AF追従の最高性能のコマ数は、エレクトロニックシャッター
でないと実現出来ず、メカニカルはコマ数落ちます。まあ、秒5コマでも
普通の用途なら十分ですけど。というか、ある程度折り合い付けないと
バッファフルがあっという間ですし。



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