Eye-Fiの写真データはドコを通るか? 「転送経路」を検証する
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続いていよいよお待ちかね、「経路探索」 編です。
Eye-Fiというと、巷の印象としては、
『 便利っぽいけど、撮った写真ぜんぶ インターネットに流れちゃう の?
それとも部屋内だけでも使えるの? 何となく不安なんだけど・・・』
という反応が大半なのではないかと思います。私自身も、実際に撮った
写真データがどのような経路を辿って保存されているのかを知りたいと思い、
自分自身でいろいろ実験をしてみることしたのが今回のレポートです。
あくまで短期間の検証からわかったことを記しているだけですので、
実際の動作が必ずこの通りに行われるとは限りません。ご了承ください。
まず、出演者(?)をご紹介しましょう。私が実際に試してみた例として、
・ローカルのパソコンを経由して NASに保存 する
・flickrに自動アップロード する
という設定を施したEye-Fi Shareの環境を考えて見ます。
Eye-Fi Manager という常駐ソフトがパソコンにインストールされています。
また、インターネット上には Eye-Fiのサイト があり、ここに
Eye-FiカードやEye-Fi ManagerからアクセスされるAPIが備わっています。
今回はこのローカルにある「パソコン」というところで パケットモニタ
を常駐させ、パソコンが関わった通信を見てみることにしました。
逆に言えば、パケットモニタに現れないものは、パソコンを経由しないで
転送されたということになります。
Eye-Fiカードを挿したデジカメで写真を撮ると、NASとflickrに
データが転送・保存されるのですが、その事前の 動作イメージ は
何となく2通りありそうだというのが大方の予想だと思います。
赤いラインは「一度全部 Eye-Fiサイト にアップロードされて、
Eye-FiサイトがローカルPCやflickrに転送する」というシナリオ、
青いラインは「一度全てローカルの Eye-Fi Manager に転送されて、
Eye-Fi ManagerがローカルPCやflickrに転送する」というシナリオです。
どちらも現時点では想像でしかありません。検証前に判っていたことは、
「結果的にNASとflickrに写真が転送された」という事実だけです。
では、検証をしてみましょう。
ローカルにある Eye-Fi Managerを終了 してみたらどうなるでしょうか。
もし、Eye-Fi Managerが全ての基点となって動いているのであれば、
写真の転送は一切行われないはずです。
ところが、実際には、ローカル側のPC/NASは音沙汰なしである一方、
flickrのほうにはちゃんと写真がアップされました。
ということは、Eye-Fi Managerがプロキシとなってflickrなどに
アップロードしているという仮説は正しくないことになります。
Eye-Fiカードはローカル側のPCの助けを借りず、自力でネット上の
Eye-FiサイトのAPIにアクセスし、写真を転送しているようです。
このあと、Eye-Fiの入ったデジカメの電源をワザと落とし(重要)、
少し遅れてパソコン内の Eye-Fi Manager を再び起ち上げてみます。
すると驚くことが起こりました。Eye-Fi Manager はさっき撮った写真を
Eye-Fiサイトからダウンロードしてきて、
NASに保存し始めたのです。これはどういうことかというと、
Eye-Fiのサイトはflickrなどにアップロードする作業を終えた後でも、
写真データを Eye-Fiサイト内に保持 していたということになります。
ただ、これは過剰反応するほどのことではないのかもしれません。
Eye-Fiサイトとしても試し撮りも含めたすべての写真を
一生ぶん保存するようなことはできないでしょうから、おそらくは
あくまで 一定期間のキャッシュ として保持しているだけだと思います。
ローカルPC側のEye-Fi Managerは、そのキャッシュが生きている間は、
自分が落ちていた間の差分をEye-Fiサイトから拾ってきます。
では、常にネット側のEye-Fiサイトを基点としてデータを転送する
シナリオのほうが正しかったのか? という話になりますが、
それはまだ早計です。もう1つ実験をしてみましょう。
今度はルータの設定を変更して、家庭内LANのネットワークから
Eye-Fiサイトへの通信を全てブロック してみます。ローカルPCの上の
Eye-Fi Manager は健在です。この場合はどういう動きをするでしょうか?
正解は「何事もなかったかのように ローカルPC/NASに保存される」です。
ネット上のEye-Fiサイトがなくても、Eye-FiカードはローカルLAN内の
Eye-Fi Managerが起動されている パソコンを探し当て、そこにデータを
転送します。これはオンライン写真サービスなどをバリバリ使う予定の
ないような、一般的なユーザが求める理想のシナリオ通りです。
また、「Eye-Fiサイトへのアクセスが拒否されたとき」だけローカル通信を
使うのかというとそうでもなくて、ローカルのパソコンへのデータ転送は
ローカル通信が繋がっていれば 常にローカル通信のほうを優先 するようです。
ちなみにこの場合、後からEye-Fiサイトへの通信経路が復活したとしても、
時間差でflickrにアップロードされるようなことはないようです。
ということで、整理をしてみましょう。
Eye-Fiカードは、
1、ローカルLANの中にあるEye-Fi Manager
2、ネット上にあるEye-FiサイトのAPI
という2つの通信相手と それぞれ独立に通信 できます。ユーザがどのサービスに
転送したいのかという設定情報は、Eye-FiサイトとEye-Fi Managerしか知りません。
従って、Eye-Fiカードはそれぞれに対して通信を行って、必要な転送先を持って
いるかどうかを尋ねます。転送先があれば、写真データの転送を開始します。
このとき、既に転送済みの写真かどうかについての判断をしているようです。
(それがファイル名、タイムスタンプ、ファイルサイズなどを使っているのか、
データの一部のハッシュを計算しているのか等はわかりません)
基本的に、ローカルPCへの保存はローカルLANの中で完結しています。
完全に外への通信がないのかというとそうではなく、Eye-Fiサイトに
「オンライン写真サービスへの転送がONになっているかどうか」の設定を
尋ねにいくシーンでは自力で外部通信をしようと試みます。ただしそこで
オンライン写真サービスへの 転送設定がされていない場合 には
写真データそのものをインターネット側に転送することはないようです。
先ほど図4で、ローカルPCへの保存をするために、Eye-Fiサイトから写真を
落としてくるというケースがありましたが、これはあくまでflickrへの転送を
有効にしていたための 特殊処理 です。flickr用に写真データを外部転送した後は
どうせ一時キャッシュとしてのデータをEye-Fiサイト内に持ってしまうのですから、
ローカルPCでもそれを有効活用して、デジカメが再度オンになる前であっても、
ネット側からデータをsyncしてしまえ、というワケです。
ちなみに、先ほどはEye-Fi Managerをワザと停止するという変なことをしましたが、
これは別に凄く珍しいケースではなく、パソコンを点けっぱなしにしない方
が使うと、すぐに同じような環境になるでしょう。
デジカメで写真を撮る
⇒ ローカルのパソコンは 点いていない
⇒ オンライン共有ありだったのでEye-Fiサイトに転送
⇒ デジカメの電源を切る
⇒ あとでパソコンを起ち上げると、ネットから写真が振ってくる
というようなことが普通にあるわけです。ただし重ねて強調しておきますが、
オンライン共有「なし」の設定では、このようにローカル保存用データが
一度ネットを通過するようなことは起こらない、はず、です。
以下は試したことがありませんが、ここまでの検証をもとにすると、
こんな動作をするケースは考えられます。
外出先の無線LANアクセスポイントを使うのはあまり現実的ではない
というお話をしましたが、もしそういうことができる環境があった場合、
加えて、オンライン写真サービスへの転送を有効にしていた場合、
そしてさらには、自宅のパソコンを点けっぱなしにしていた場合、
という条件が重なると、外出先でデジカメで撮った写真が自動的に
オンライン写真サービスにアップロードされるのと同じくして、
無人の自宅のパソコンにも保存されていく
というような動作をしそうな気がします。
ただ、冷静に考えてみればこれは「だから何」というような感じが
しないでもありません。また、実際にやってみたワケではありませんので
こうならない可能性もあります。ただちょっと面白そうな感じです。
以上、結構頑張ってEye-Fiの転送経路を調べてみました。
写真がネット上にダダ漏れになってしまうとさすがに色々不安があると思いますが、
今回の検証ではどうやらオンライン写真サービスへの転送をしない設定であれば
写真データそのものがネットに流れることはなさそうだという結論になりました。
Eye-Fiって面白そうだけど何か怖いかも、と思っていた方は参考にしてみてください。
私は しばらくローカルだけで 使ってみようと思います。
(その前にまずSDカード対応のデジカメをXacti以外にも揃えたい。。。)
2008/12/26 [updated : 2008/12/26 23:59]

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▼ コメント ▼
No.26264 投稿者 : tks 2008年12月29日 09:56
検証お疲れさまです。
外出先アクセスポイントを使ったときのEye-Fiの動作結果についてお知らせします。
私の環境はMac OS Xで、Eye-FiからflickrとiPhotoに保存されるように設定しました。
結論として、外出先のアクセスポイントに接続してEye-Fiからアップロードしても、flickrと自宅MacのiPhotoに自宅のアクセスポイントに接続したときと同じように保存されました。
flickrについてはWebが見られれば、特に工夫しなくても外出先で確認はできます。
iPhotoについては外出先からOS X標準機能の「Back to My Mac」というリモート画面共有機能を使って確認しました。Eye-Fiで撮影してまもなく自宅Macの画面でEye-Fi Managerのポップアップ表示が現れて、見かけ上は自宅アクセスポイントに接続したときとまったく同じ動作結果になったことを確認しました。
というわけでEye-Fiの動作は、CK氏が調べたようにまずEye-Fiのウェブ上のサーバに保存(キャッシュ)されてそこからflickrやiPhotoに送信されるというルートがあることは確かなようです。もちろん自宅アクセスポイントを使ったときにはWebを介さない別のルートもあって、複数のルートを使い分けているらしいということになるでしょうか。
いかがでしょうか。考え違いの部分がありましたらごめんなさい。
では。
コメントしましょう
写真アップロード経路よりも初期セットアップの経路のほうが気になるのです。
なんとなく理解してたので合ってた
参考文献↓なる http://www.eye.fi/news/2008/02/20/improve-your-eye-fi-card-experience-with-smart-boost/
なるほど。
ありがとうございます。どういう仕組みか気になっていたので助かりました。
よくわかった
一旦ネット上に行ってからダウンロードされてる感じがしてたけどやはり
Eye-Fiかしこすぎるぜあんた。
もっと安くならないかな
Eye-Fiの通信経路の検証。
これはおもしろい
Eye-Fi
いまいち分かってなかったので。
ネットワーク上のサービスと、自分のパソコンの間で非同期でもデータの同期ができる、みたいなことらしい。
必ずEy-Fi設定サイト経由だと思ってた
Eye-Fi、無線LAN内臓SDカード、転送経路の検証
コメントしましょう