Forza2動画編集の楽屋裏 - レース実況タイプの映像編集の苦労話など
2007/12/29年の瀬も迫ってきていますので(?)
Forza2の動画編集 のお話についても簡単な総括を。
予定をはるかに超えて半年も続いた動画編集で 合計47個 の動画を作成し、
ニコニコ動画で合計 約97,000回の再生と3,700件のコメント を頂きました。
平均2,000再生と80コメといったところです。以前も書きましたが、
この数はニコニコ動画的には少ないほうであっても、場末のアマチュア活動
をしている私のような人にしてみれば十分すぎる数でした。おそらく他の
どんな場所に行ってもこれだけの数の再生・コメントは頂けなかったでしょう。
■痛コレのForza2 リプレイ集
http://www.nicovideo.jp/mylist/1264323
■Forza2 痛車コレクション
http://www.nicovideo.jp/mylist/3570466
さて、動画編集をしていて、ちょっとわかったことがあります。
自分が作ろうとしているモノの
「構成パターン」 によってその労力は段違いになる
ということです。具体例を交えて考えてみることにしましょう。
私の動画の構成パターンには大まかに分けて4つのパターンがありました。
(1)無編集タイプ
(2)プロモビデオタイプ
(3)ネタ編集タイプ
(4)レース実況タイプ
それぞれについて簡単に実例を見てみましょう。
(1)無編集タイプ
ゲーム映像をほとんどそのまま流し録りした素材を使い、
せいぜい2~3カットを繋ぎ合わせて終わり!というパターンです。
「作品」というにはおこがましく、どちらかといえば 「資料映像」 として
残しておきたいものを残すときにこのパターンを使います。
■Forza2 痛車コレクション Vol.17
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1554334
そのほかの例)
■Forza2 痛車コレクション Vol.9
http://www.nicovideo.jp/watch/sm818729
■Forza2 ロード・アメリカ(Road America) テスト走行 DLCコース 2007.12.07
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1722209
(2)プロモビデオタイプ
一番見栄えの良いクリップを作りやすいパターンです。
キャラのテーマソングをベースにして、そのテーマソングに合わせた
シーンチェンジを繰り返すことで、勢いのある動画が生み出されます。
■Forza2 みっくみく走行会「初音ミク・VOCALOIDワンメイク」 2007.10.05
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1269755
そのほかの例)
■Forza2 痛車走行会「ハヤテのごとく!ワンメイク」プレビュー 2007.09.08
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1050781
■みっくみくHAPPY - Forza2 痛車コレクション 初音ミク特別編
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1321110
■Forza2 「苺ましまろ 松岡美羽ハッピーバースディカップ」 2007.09.08
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1084258
(3)ネタ編集タイプ
映像編集にテーマがあり、それに沿って素材を選んでいくタイプです。
ここには徐々に 「シナリオ」の存在 が必要になってきます。
どんな素材をそんな順番で構成して流れを作るのかを考えるのがポイントです。
■Forza2 ウィリーはじめて講座 How to Wheelie
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1679215
そのほかの例)
■Forza2 勝手プロモ Xbox360バリューパック発売記念
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1395922
■Forza2 衝撃映像 - ピットの稲妻 2007.07.07
http://www.nicovideo.jp/watch/sm576974
■Forza2 オン対戦でどきっとするシーン
http://www.nicovideo.jp/watch/sm623564
(4)レース実況タイプ
レースそのものの経過を逐一お伝えしていくタイプです。
1レースであれば何とか全部収めることもできますが、何レースもあるイベント
では当然すべてを収めるわけにはいかず、ダイジェスト として編集することに
なります。順位変動などを確実に伝えられるように字幕も頑張る必要があります。
■Forza2 「第1回 ぱにぽにシリーズカップ」 痛車ワンメイク走行会 2007.07.29
http://www.nicovideo.jp/watch/sm767156
そのほかの例)
■Forza2 痛車走行会「ぱにぽにワンメイク ムジェロ耐久」 2007.09.09
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1118492
■Forza2 痛車走行会「第5回ぱにぽにシリーズカップ」 2007.09.23
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1231398
■Forza2 痛車走行会「D車でGO!」 2007.06.22
http://www.nicovideo.jp/watch/sm501870
では、これらのタイプ別に見て、実際に 編集が大変 なのはどれでしょうか。
「 (1)無編集が一番簡単なのは異論がないとして、やはり一番大変なのは
(3)ネタ編集かな。シナリオから全て自分で考えなきゃいけないし。
(4)レース実況は量は多そうだけどやることは決まってるし、
(2)プロモは逆に量が少ないぶんタイミング合わせの苦労もありそうだし・・・」
という感じで、こういう順番を想像している方が多いのではないかと思います。
【大変↑】
(3)ネタ編集
(2)プロモビデオ
(4)レース実況
(1)無編集
【簡単↓】
しかし、実際にやってみての体感としては、以下のような感じになります。
【大変↑】
(4)レース実況
(3)ネタ編集
(2)プロモビデオ
(1)無編集
【簡単↓】
(4)レース実況タイプの動画の大変さは異常です。他のタイプでは
超えられない壁があります。なぜそうなるのかといいますと、
4つのタイプのうちこの(4)レース実況タイプだけが、
何かしらの事実を視聴者に伝える役割を持っている
からです。逆に言えば、(3)ネタ編集タイプ、(2)プロモビデオタイプは、
どんな場面を恣意的に抜き出してもそれは編集者の勝手ということであり、
これだけで編集の手間は恐ろしく軽減されます。
具体例を見てみればその大変さは実感できると思います。
(4)レース実況タイプの苦労のほとんどは、実は映像編集ではなく、
「リプレイチェック」 の段階にあります。
どこで何が起こったのか、それを全て確認するためには、
レースのリプレイを、いろいろな人(同時対戦人数の8人ぶん)の視点から
何度も何度も確認して進行中のイベントをすべて洗い出さなければなりません。
これが映像編集の手間よりも何倍も掛かります。
実際、30分くらいで終わるイベントの映像について、リプレイチェックをして
必要な場面を抜き出すだけで 5~6時間 かかることはザラです。その最初に
わたしがいつも行っているのが追い越し場面をリストアップしていくことです。
このリストを勝手に 「パッシング・タイムライン」 と呼んでいます。
■Forza2 痛車走行会「第5回ぱにぽにシリーズカップ」 2007.09.23 パッシング・タイムライン
http://c-kom.homeip.net/review/blog/temp/paniponicup5th_passingtimeline.txt
リストをご覧になるとちょっと ギョッとする ハズです。
これを作成するだけ 3~4時間 はゆうに掛かります。繰り返しになりますが、
たまたま見つけた面白い場面を恣意的に抜き出すのとは異なり、
レース実況では 「取りこぼし」 があってはいけません。
そもそも取りこぼしがあると、レース順位とも矛盾が生じてしまいます。
(3)ネタ編集(2)プロモの2つがあくまで 「編集者が神さま」 なのに対して、
(4)レース実況の場合は 「レース結果が神さま」 であり編集者はその従者なのです。
これがレース実況タイプが一番大変である最大の理由です。
このリプレイチェック地獄を抜ければ、ようやく映像の編集作業に移ることが
できます。しかし、映像編集はそれはそれで量があるためにこれも大変です。
こうした苦労を経て初めて(4)レース実況タイプの映像が出来上がるのです。
■Forza2 痛車走行会「第5回ぱにぽにシリーズカップ」 2007.09.23
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1231398
パッと見ると編集テクや編集センスが問われそうな(2)(3)より、
淡々と事実を伝える(4)のほうが大変な手間が掛かるというのは、
わたしとしては結構新鮮な発見でした。
この手の苦労はやってみて初めて判るところがあり、
また経験を積み重ねていくごとに色々なことがわかってきますので、
なかなか楽しいです。体験に勝る知識なしといったところでしょうか。
Forza2は、アイマスほどではないにせよ、ある意味今年のゲームの中で
「新しい視点」を以って注目されたゲームの1つとなりました。
ペイントという ユーザエディット機能 がネトゲの魅力を
ココまで増幅するとは、開発陣も想像できなかったことでしょう。
その魅力を動画によって少しでもお伝えできたなら嬉しい限りです。
2007/12/29 [updated : 2007/12/29 23:59]
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