その反論ちょっとまった! - 水掛けバトルのゴングを自ら鳴らす前に

2006/05/14

日曜コラムです、こんばんは。
GWの開始・終了の週を見送ったため、中2週でのコラム再開です。
 
 
ブログを書いていると誰しも、
 
 どこからか、強烈な批判を受けることがあります。
 
ブログはゲームセンターの対戦台のようなモノです。
誰も居なければCPU対戦(一人語り)モードで自由なプレイが出来ますが、
コメント、トラックバックが開放されていれば、いつ何処で
 
 NEW~ CHALLENGER~ !!!
 
が飛び込んでくるか判りません。ゲームセンターと違うのは、
全てが対戦相手(批判)になるワケではなく、むしろ多くの場合は
好意的な反応であるという点ですが、それでも場合によっては
戦う気マンマンな対戦相手が登場する場合があります。
 
かくして、あなたのブログエントリに、トラックバックが付きました。
辿ってみると、あなたのエントリをこき下ろす批判エントリです。
このときブロガーであるあなたは、どういう行動に出るでしょうか?
 
 「感情優先で論理はメチャメチャ。」
 「根拠の無い文の垂れ流しだね。」
 「こういう勘違い野郎がいるから困る。」
 ・・・etc.
 
トラックバック元エントリには 辛辣な言葉 が並んでいます。
頑張って書いたエントリが、こうした真っ向からの批判に晒されると、
まるで自分の人格自体が否定されたような気分になるかもしれません。
 
その気持ちはよく判ります。でも、
 
 「この相手には、自分が言いたいことが伝わっていない。
  このままだと誤解されたままになってしまう。
 
  ちゃんと反論しておかなければ!
 
と思ったあなた、ちょっと待ってください。その反論は本当に必要ですか?
 
 
反論をしようとした方は、以下の2つの誤認識をしていないかどうか、
ちょっとだけ冷静になって考えて見ることをおすすめします。
 
■誤認識1
 『 文章は時系列を追って読まれるものである。
  だから、最後に投じられた反論が一番強い。 』
 
あなたは自分のエントリを公開し、その後に相手の反撃があったことを
目の前で見ています。相手のターンで終わっていると、相手の主張のほうが
強く通ってしまうように錯覚してしまい、何とかして
 
 「自分のターン」で議論を終わらせなければ
 
と考えるかもしれません。でも冷静に考えてみてください。
確かに相手の反論は、最初はあなたのエントリへのカウンターパンチという
意味を明確に持っていたかもしれません。でもちょっと月日が経ってみれば、
 
 単に広大なネットの中に浮いている、2つのエントリ
 
でしかないことに気が付くでしょう。どちらが先で、どちらが効果的なカウンター
だったか、などは、長い長い時の流れの中ではある意味どうでもよいことです。
リンクやトラックバックの形跡がありますから、AのあとBが来た、という時系列は
判りますが、「Aが自信を持って投じたエントリに、Bが強烈なカウンターを放った」
といった、その場の空気で感じるような優勢・劣勢は、ちょと月日が過ぎれば
大した意味を持たなくなるのです。
 
そうして時が流れたあとの2つのエントリが、どういう状態になっているのかを
想像してみてください。相手のほうが明らかに説得力がありますか? それとも
自分のエントリにはまだ「思いを伝える力」がしっかりと残っていますか?
 
改めて2つのエントリを並べてみて、自分のエントリに「思いを伝える力」が
残っていると思えるなら、
 
 そのエントリは放っておいても大丈夫です。
 
長い月日の中で、あなたのエントリは、あなたの想像以上に強くたくましく
あなたの思いを誰かに伝えてくれるでしょう。
 
 
■誤認識2
 『 これは反論をしてきた人との直接対決である。
  相手をディベートでやり込めないと、
  逆にこっちがやり込められてしまう。 』
 
たった今受けた反論を目前にすると、その反論をなんとかしたい
と思う心理が芽生えるかもしれません。しかし、そこで、
反論してきた相手に直接再反論を浴びせることを考えてはいけません。
 
 大切なのは「直接対話」ではなく「間接対話」なのです。
 
ブログを書いている時点で、あなたも相手も舞台に立っています。
舞台の上で2人で言い争いをしていること、これが「直接対話」です。
しかし、舞台の下は大勢の聴衆がいることを忘れてはなりません。
 
もし再び反論をしたいのであれば、それは相手にではなく、
「聴衆に向けられた言葉」である必要があります。
 
 ×「あなたの認識は間違っています。正してください。
 ○「彼の認識は間違っています。そうは思いませんかみなさん?
 
これが聴衆を通じた「間接対話」です。重要なのは「相手をやり込めること」
ではなく、「自分のほうが味方が多いことを確認すること」 なのです。
 
そもそも数学の証明問題ならともかく、意見という曖昧な対象には
明確な「正しい」「間違い」は存在しません。あるのは、
 
 ・どちらがより多く信じられているか
 ・どちらがより多く好かれているか
 
という曖昧な事象だけです。それが一時的に「正しい」「間違い」という
錯覚を起こさせているのです。反論する前にぜひ一度、「直接対話」だけに
目がいって「間接対話」のことを忘れていないかどうかを確認してみてください。
 
 
ネットという、時間も空間も超越した場所で、安易な反論を節操なく繰り出すことは、
あなた自身の首を絞めることにも繋がります。
 
囲碁と同じで、一度置いた石は ずっと盤面に残り続ける ことを
忘れてはいけません。その一手は、ときには あなた自身を邪魔する
ことさえあるのです。かといって、一度打った手を取り下げることは、
あなたの印象を大きく損なうことに繋がります。
 
そして何より、「直接対話」としての反論の応酬を繰り返すことは、
あなた自身が本当に主張したかった内容から聴衆を遠ざける結果を招きます。
元の主張自体が薄まってしまうという危険と同時に、相手から見て攻めやすい
別の反論ポイント を生み出してしまうというデメリットも生じてしまうのです。
 
どんなに小さくても、ブログエントリというものは、
 
 ネットという盤面に置いたあなたの一手です。
 
その一子がもし誰かに狙われたとしても、慌てず盤面全体を見回してみてください。
その一子を守ろうとするあまり、盤面全体と関係の無い局地戦を繰り返した挙句、
全ての石(意思?)を摘み取られてゲームオーバー、なんてことにならないように、
冷静な対処をしなければなりません。そして多くの場合の最善手とは、今受けた
反撃に直接対処することではなく、別の場所に自分の手を広げていくことなのです。
 
『 批判に対して、安易に「直接対話」としての再反論をしない。 』
 
この原則はブログを長く続けていく中で、とても重要な指針の1つになるでしょう。
批判を1つ2つ受けたくらいで、元の主張が急に消え去ったりすることはありません。
あなたの心配を他所に、元エントリのほうは 案外と打たれ強い ものです。
そしてネットの中では、自信を持ったエントリも、強烈な批判も、小さな石の1つなのです。


2006/05/14 [updated : 2006/05/14 23:59]


この記事を書いたのは・・・。
CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。




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siowulf 2006/05/15
ネットという盤面に置いたあなたの一手です。
hejihogu 2006/05/15
あえて対話をストップさせるのは大事ですね。非難合戦になっちゃったら、それはもう議論じゃないし。
todogzm 2006/05/15
特に間接対話に関しては納得。
k2low 2006/05/15
これもblogに限らない話で。たとえば社内政治とか。
santaro_y 2006/05/16
はめちゃくちゃ分かりやすい例え(ルール知らねけど 勝負師の発想だなー
mind 2006/05/18
聴衆を通じた「間接対話」で「自分の方が味方が多いことを確認」… 一度打った手を取下げると、あなたの印象を損う… ――劇場型討論。/箱の中で謙虚に話し合った…、結果的に観測者が判断ってスタイルの方が好き。
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No.2640   投稿者 : N/A   2006年5月16日 17:47

いつも見てます。

他で批判され自分のブログ閉鎖しようかと悩んでましたが、ここを読んで自信わきました。
わが道を淡々とすすんでゆこうと思います。


No.2699   投稿者 : 麻理   2006年5月22日 14:33

ブロガーに勇気を与えてくれる素晴らしいエントリだと思います。
強烈な批判を受けたとき、凹んでしまうこともあるでしょうが
この記事を思い出せばずっと上手く対応できるような気がします。
読みやすく、読者に力強く語りかける文章力にも感銘を受けました。


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