ゴールは道に聞いてくれ! - 試してみれば何かが得られる
2006/04/02日曜コラムです、こんばんは。
「Alpha Clipper Clip」 (ACC) というサイトをご存知でしょうか。
■Alpha Clipper Clips(はてなブックマーク超注目リスト)
http://acc.blogdb.jp/
有名なブログ著者が「アルファブロガー」なら、有名なブックマーカーは
「アルファクリッパー」 だ、ということで、選ばれたアルファクリッパー
の方々のブックマークを自動チェックしているサイトです。
アルファクリッパーの方々がどんなページをチェックしているのか、
それをチェックしている二次クリッパーの方も大勢います。ということは、
アルファクリッパーの方々がチェックしたページは、その後、
人気ブックマークになる可能性も高い、というワケです。
とても面白い試みだと思います。私もチェックさせて頂いています。
さて、私は前々から考えていたことがありました。
「アルファクリッパー」、つまりアンテナの高い情報収集者という意味では、
はてなブックマークユーザよりももっと前から、それを専門に行っていた方々が
いらっしゃいます。そう、以前もご紹介した 「個人ニュースサイト」 の方々です。
■2005/07/10 [実録! 個人ニュースサイトが織り成す「華麗なる波状アクセス」一部始終実録! 個人ニュースサイトが織り成す「華麗なる波状アクセス」一部始終]
■2005/07/17 [実録!「華麗なる波状アクセス」パート2 - 直下集中型連鎖実録!「華麗なる波状アクセス」パート2 - 直下集中型連鎖]
アルファクリッパーという名がこれほど相応しい方々も他にありません。
個人ニュースサイト運営者の方々は、はてなブックマークといった共通のツールを
使っていないだけで、その行動は紛れもない「アルファ」なクリッパーなのです。
彼らの動きをACCと同様に集約してチェックできないだろうかと考えた結果、
ひとまず何か作って動かしてみようとして出来上がったのがコレでした。
■メガとんトラック - 個人ニュースサイトURL収拾車 -
http://c-kom.homeip.net/megaton/
個人ニュースサイトの方々のページを1時間おきにチェックして、
新しいリンクを見つけたら登録していく、という挙動をします。
新しく発見したリンクは必ず一度リンク先にも訪問し、
ページタイトルはそのオリジナルのページのほうから持ってきます。
チェックするサイト数が増えてくれば、「幾つのサイトでリンクされたか」
というブックマーク数のような指標も作り出せるようになると思いますが、
今のところはひとまず、発見したURLをリストしていくだけになっています。
実際にやってみると、いろいろ上手くいかない点も 見つかります。
今の実装では、過去に一度も出てこなかったURLを検出するとリストに加えて
いくような挙動をするのですが、たとえば「カトゆー」さんは、メーカの
トップページにリンクを張って、そのメーカの最新情報をリンク文字として
載せるようなやり方をされています。この場合、2回目からはURL情報が
「既出」として扱われてしまい、クリップされなくなってしまいます。
また、リンク先のタイトルタグというものは、意外と精緻化されていないことに
気が付きます。サイト上のページのタイトルタグが全部同じだったりすることは
日常茶飯事です。そういう意味では、リンク情報はリンク先のタイトルタグよりも
リンク元のリンク文字を用いたほうが上手くいくのかもしれません。
そういうところを如何に「有用な形になるように」まとめ上げるか、
というあたりが、ノウハウとして必要になるのでしょう。こういうことは、
なかなか「やる前」の段階で1から10まで見抜けるものではありません。
さて、今回ちょっとお話したかったのは、こうした trial & error のお話です。
上でご紹介しました「メガとんトラック」もそうですが、
(名前は放っといてください・・・名前がないと色々困るので、)
思いついたことは、とりあえずやっといて放置。
面白いことに繋げられそうだったら、後からテコ入れ。
というやり方を、私は好んで使います。その根底にあるのは、
面白いかどうかは、実際にやってみないと自分でも判らない
という考え方です。頭の中で「アイデア」という形でいろいろな思いを巡らせるのは
簡単ですし、それはそれで楽しいのですが、実際に形にしようと思うと、ちょっと
したことでも意外な問題が発生したりして、思うようにいかないことがあります。
問題が発生すると、今度はそれにどう対処しようか、頭をひねります。
「そうか、こうなっちゃうか・・・、だったらこうすればいいんじゃ?」
といった具合です。その繰り返しがとても大切です。
止まっているうちは、自分の想像の範囲内でしかコトは起こりません。
ですが、ひとたび歩き出せば、相手のほうからイベントが次々と降ってきます。
イベントを解決していくうちに、スタート前に思い描いていた「理想のルート」は
実は何の意味も持たないことに気が付き始めるでしょう。そして遂には、
ゴール地点すら設定し直してしまう
ことも珍しくありません。スタートして、歩き始めて、いろんなことが判って
くるに従って、何も知らなかった頃よりも「もっと面白いゴール」が見つけられる
ようになります。
スタート時点でのゴール設定が重要ではない、とまでは言いませんが、
スタート時点で決めたゴールに着実に辿り着くこと「だけ」を目的にするのは
あまりオススメできません。なぜなら、ゴールは1つではないが故に、
どれだけ面白いゴールを見つけ出すことができるか
ということ、それそのものが結果となり得るからです。
何が面白いゴールで、その前にどんなハードルが存在するのか、それはひとまず
歩き出してみないと判りません。だからこそ、trial & error が重要になります。
たとえどんな平坦な道でも、歩き出せば色々なイベントが待っています。
それを幾つも体験するごとに、あなたは沢山のことを学ぶことになるでしょう。
進めるハズだと信じていたルートが、想像以上に険しいことが判るかもしれません。
ゴール地点には期待していたような果実が無いことが判るかもしれません。
「じゃあ、どっちに進めばいいの?」
歩けば歩くほど、ゴールの位置は変わって行くハズです。
気が付くと、未だスタート地点で「理想のゴール設定」に執着している仲間と比べて、
あなたが今目指しているゴールは、ずっと魅力的なものになっているに違いありません。
だから、良いゴールを教えてもらうために、まずは歩き出すのです。
歩く目的はゴールに辿り着くことだったハズなのに、実際はゴールを教えて
もらうために歩く、歩くことで本当のゴールの位置が判ってくる・・・。
このパラドクスは感覚的にはとても判りにくいものですが、これを飲み込むことで、
いろいろなモノに対するアプローチの仕方が変わってくることでしょう。
他愛ないことでも、とりあえず試してみて、そこで得られた結果から面白そうなことを
吸収していけば、それは「より面白いゴール」を設定るすための糧になるに違いありません。
最も恐れるべきことは、それを試す前から「他愛ない」ことを切って捨てることで、
その大切な経験を得るチャンスを失うということなのです。その「他愛ない」ことが、
試してもいないあなたの想像通りである可能性は、実はほとんど無いのですから。
2006/04/02 [updated : 2006/04/02 23:59]

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戒め。「それを試す前から「他愛ない」ことと切って捨てることで、その大切な経験を得るチャンスを失う」
trial & errorの重要性。何かを始めた時点で設定したゴールにこだわり過ぎず、思いついたことはどんどん試してみる。
「思いついたことは、とりあえずやっといて放置。面白いことに繋げられそうだったら、後からテコ入れ」あとはフィニッシュできれば完璧……なんだ、けど……。
ビジョナリーカンパニーの「沢山試してうまくいったものを残す」的なお話。いいアイデアをぱぱっと実装できるくらいプログラムが書けるようになりたい次第。
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