Rio、Creative、iRiver が iPod shuffle を半分歓迎し、半分怯えるワケ
2005/01/16■L.P.Mさん 「shuffleは我々の敵ではない。」 (iPod WeBlogより)
http://ipod.main.jp/blog/archives/2005/01/shuffle_1.html
iPod shuffleは果たしてシリコンオーディオ市場を席巻するのか?
もともとこの市場を支配していた Rio、Creative、iRivier 各社は
その熱狂の渦を目の当たりにして戦々恐々としているに違いありません。
iPod WeBlogさんでも触れられている、このニュースを取り上げてみましょう。
■iPod shuffleは怖くない? ライバルは余裕の反応
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/14/news042.html
この記事には、Rioの取締役、Creativeの広報マネージャ、iRiverの広報担当の
3人の iPod shuffle に対するコメントが掲載されています。細かい内容は
記事本文をお読み頂けば判りますが、論調としては3社とも同じように、
・shuffleが来たことでシリコン市場が 活気付いて嬉しい よ
・それにしてもshuffleの機能はヘボい。あんなのには負けない。
という2つの論点を強調しています。これをして記事のタイトルが
「ライバルは余裕の反応」とは如何なものか・・・、私にはどうみても、
攻撃心剥き出しなのは、怯えている証だとしか
読めませんでしたが、皆さんはどうでしょう?
シリコン市場が活気付くという意味で、各社がshuffleの登場を、自社にとっても
プラスに働くかもしれない、と考えることは自然です。1つめの話はそれでOKです。
では2つめの話はどうでしょう。機能がチャチだから自社の脅威ではない、というのは?
・shuffleは 中途半端 な製品だ。 → 我が社のシリコン製品は 安心 だ。
・shuffleは スゴイ 製品だ。 → 我が社のシリコン製品にとって 脅威 だ。
こう考えるということでしょうか? いやいや、もう1つ別のルートがあるでしょう。
・shuffleは 中途半端 な製品だ。→ 我が社のシリコン製品にとって 脅威 だ。
Rio、Creative、iRiverが半分歓迎、半分恐怖に陥っているのには、
この3つめの考え方が頭にあるからです。
iPod shuffle が登場するまで、シリコンオーディオに興味を持つ一般人は
ほとんどいませんでした。つまり普通の人は iPod shuffle で初めて
シリコンオーディオに触れることになります。このとき人々の頭の中に、
「アイポッドは高くてちょっと手が出ない人でも
安い金額でちょっと遊べるのがシリコン ってワケね」
というイメージが浸透してしまったらどうなるでしょう?
デジタル音楽プレイヤーの ヒエラルキーの最下層 に、
「シリコンタイプ : 入門用の安いの」
という名が刷り込まれてしまったら、大変なことになります。
かつて国内で 「PHS」が辿った末路 を想像してみてください。
だからこそ、Rio、Creative、iRiverは、シリコンタイプの本当の良さを売り込まなければ
なりません。複数行表示の液晶 も、FMや録音などの多機能 もあり、
iPod miniと互角以上に戦えるシリコン機が存在することを、訴えていかなければなりません。
それなのに、それなのに、まさにこの市場にようやく興味を持ち始めた一般人に対しては、
そのキッカケになった iPod shuffle は「ダメダメだよ」と 貶さなければ なりません。
さぁ、どうしたものでしょう。シリコンオーディオは 「入門用の安いの」 という
レッテルを貼られずに済むでしょうか? 何故こんな困ったことが起こるのかといえば、
Rio、Creative、iRiverにとって 虎の子 であるこの市場が、Appleにとっては
チョーどうでもいい市場 であり、元々失うものも何もない市場だからなのです。
低価格品でガリガリ混ぜっ返して、シリコンに「入門用の安いの」というイメージが
付いてもAppleにとっては何ら問題はないというワケです。Appleが売りたいのは、
グレードアップを望んできた人に売る iPod と iPod mini、
そしてもう1つ、音楽でAppleに慣れ親しんだ人に満を持して販売する Mac本体 です。
そう考えた上で、Rioの取締役の言葉をもう一度見てください。
Appleが完成度のあまり高くない製品を投入したことに、
ある種の失望感 を抱いている
失望感?
ライバルが弱い製品を出してきたのに、どこに失望感を抱く必要があるのでしょう。
これを「自社の製品まで iPod shuffle と同レベルだと思われたらどうしよう」という
恐怖感が浮き出た一幕だと、私は読みました。高価な液晶も、FMや録音などの多機能も、
「シリコンって入門用の安いのだよね」のひと言で切って捨てられてしまったら・・・。
Rio、Creative、iRiverが何と言おうと、今現在、一般人に最も認知が高いシリコン
オーディオは、わずか数日前に発表された iPod shuffle です。
これからシリコン市場はどうなるのか、3社ならずとも、見守る我々まで戦々恐々です。
◆「デジモノREVIEW」で iPod shuffle をチェック!◆
2005/01/16 [updated : 2005/01/16 20:35]

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▼ コメント ▼
No.343 投稿者 : ねこはち 2005年1月18日 11:29
TBさせてもらいました。(外部TB初です)
対抗するというのはこういうことなのだよ!↓
クリエイティブ、Zen MicroとMuVo2値下げ http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0501/14/news032.html
言葉より態度ですよね。
No.353 投稿者 : CK 2005年1月19日 23:13
●ねこはちさん
トラックバックありがとうございます(=゜ω゜)ノ
今日は何故かDELLの中の人までもがiPodをクサしていましたが、
やっぱりムキになっている時って劣勢のときなのですよね~。
Zen MicroもMuVo2もだいぶ買いやすい価格レンジに入ってきましたね~。
昔からMuVo2のデザインは好きでしたので、ちょっと惹かれます。
No.361 投稿者 : むー 2005年1月21日 01:23
iPod兄弟が世間から認知されコレだけ色々と話題になる事は
Macユーザーで有る私から見てもヒジョーに嬉しい事ですが
本筋であろうMacのシェア拡大に繋がってくれればなぁー何て思う今日この頃
しかし、各社お偉方さん達のコメントなんなんでしょーねぇ・・・・
Shuffleのコンセプト自体はiTunesと言うソフト有っても物
其処へどう挑むか、他社さんには価格&機能以外での真っ向勝負を期待したいですね
No.365 投稿者 : CK 2005年1月21日 18:39
●むーさん
そうですね、Mac miniという秘密兵器(?)も登場したことですし、今までにないくらい
Macがメインストリームに討って出るチャンスかもしれません。
iPod+iTunesを使うぶんにはWindowsでもMacでもどちらでも全然構わないのですが、
iPod+iTunesで築いたAppleというメーカの信頼度が、人々をMacへと向かわせるかもしれませんね。
他社とのバトルといえば、「国内音楽配信の覇権争い」という大バトルが近々に控えていますが、果たしてどうなるでしょうか。
コメントしましょう