継続して情報発信する「人」という価値 - 梅田さんBlog終了に寄せて

2004/12/30

■梅田望夫・英語で読むITトレンド「最終回・Blogを26カ月続けてみて」
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001951.html
 
梅田さんがCnet Japanで長い間続けてこられたblog「英語で読むITトレンド」が
本日のエントリを以って最終回とのことです。毎日色々な話題を振りまいてきた
この「英語で読むITトレンド」blogには、本当に沢山楽しませて頂きました。
この場を借りて御礼申し上げます。長い間お疲れさまでした
 
毎日毎日楽しみにしていたblogが終わってしまうのは非常に残念ですが、梅田さんの
個人メモ集は、はてなダイアリーの「My Life Between Silicon Valley and Japan
で継続されるとのことですので、そちらも興味深くウォッチさせて頂きます。
 
振り返れば、梅田さんのblogでは、当blogのエントリにも3度、触れて頂きました。
 
■2004/02/16 「ビル・ジョイが語るITの未来
 →2004/01/15 [iPodとiTunes music storeは如何にしてクリエイタの理解を得たのか
iPodとiTunes music storeは如何にしてクリエイタの理解を得たのか]
■2004/06/04 「インターネット世代論・再び
 →2004/05/20 [私たちがネットを通して見ているもの・築いていくもの
私たちがネットを通して見ているもの・築いていくもの]
■2004/11/10 「バブル戦犯と言われたMary Meekerの再登場
 →2004/11/01 [報道メディアから「対話メディア」への重心移動
報道メディアから「対話メディア」への重心移動]
 
2004年の梅田さんのエントリで一番反響があったのは何といっても 「電車男」 の件
だとは思いますが、「ネット世代論」 はそれに次ぐ反響の多さだったと記憶しています。
私の考える ネット人格論 と 対話娯楽論 も、このとき多くの方々に興味を示して
頂けました。取り上げてくださった梅田さんには本当に心より御礼申し上げます。
 
 
さて、ここで1つ関連したお話を記しておきましょう。
 
梅田さんのラストエントリには、梅田さんがCnet Japanでblogを始めたときの経緯が
記されています。現Cnet Japan編集長の山岸さんが、日経BPを辞めてCnet Japan再建
の仕事に取り組むことになり、そのとき応援の意味を込めて梅田さんの個人blogを
Cnet上に移行したというお話です。
 
 「Cnet Japan 再建」
 
この言葉には凄く「なるほど感」があります。失礼ながら私自身、当時のCnet Japan
はあまり重要な情報源だと考えていませんでした。ZDNet Japan(現ITmedia)と同じ
海外ニュースソースと契約していて内容が被っていたことも一因ですが、とにかく
Cnet Japanは 「定期巡回先」 の候補からは長いこと外れていたサイトでした。
ではそのCnet Japanを定期巡回先に含めるようになったのは何故でしょう?
 
ニュース記事のRSSの公開と、ニュース記事ごとのトラックバック受付によって、
利便性が一気に向上したことが、きっかけの1つであることは間違いありません。
 
もう1つのきっかけは、梅田さんのblogが楽しみで毎日通うようになったことですが、
それは梅田さんのblogだけに限りませんでした。同じくCnet Japan上に集まった
才人たちの 「本気blog」 が、私をCnet Japanのリピータにしたのです。具体的には、
 
 ・渡辺聡さん、http://blog.japan.cnet.com/watanabe/
 ・森祐治さん、http://japan.cnet.com/column/mori/
 ・江島健太郎さん、http://blog.japan.cnet.com/kenn/
 ・松村太郎さん、http://japan.cnet.com/column/tm/
 (この際blogかコラムかという形態の差異は大目に見てくださいまし)
 
こうした方々の記事を読みたくて、私は再びCnet Japanに足しげく通うようになった
のでした。その意味でCnet Japan Blogという試みは大成功だったと言えましょう。
「Cnet Japanには今、オモシロイ人がいっぱい居る!」、そう思わせるに
十分なパーソナリティが揃い、そこから魅力的なコンテンツが毎日大量に噴出したのです。
 
私は、今のCnet Japanの 財産 は、こうした 「人」そのもの だと
考えています。巷には情報が溢れまくっていますが、それに適切な意味・解釈を
与えることのできる「人」の供給は、それに追いついていません。
オピニオン・リーダー、トレンド・リーダーと呼ばれる、「書ける」人々を集めて、
日々考えている鋭い考察を如何に大量に発信してもらうか、それこそが読み物として
人々を惹き付ける最高の材料となることを、Cnet Japan Blogは示したと思います。
 
その意味で言えば、梅田さんを欠くこれからのCnet Japanは、いわばジェット機の
幾つかあるエンジンのうち 1つが停止 した状態と言えなくもありません。
梅田さんに匹敵するような強烈なパーソナリティを誘致するか、それとも他の手が
あるのか、いずれにせよ発信者の色が強く出た情報メディアを期待したいところです。
 
余談ですが、FPN主催の「日本のアルファーブロガーを探せ2004」では
私を含め
日本の「アルファ・ブロガー」を探してみましょう多くの方々が梅田さんの「英語で読むITトレンド」に一票を投じているようですが、
選出される頃にはblogが終了していた、というのも何ともはや・・・。


2004/12/30 [updated : 2004/12/30 23:59]


この記事を書いたのは・・・。
CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。




« 究極のNAS登場?! RAID-5で750GBを実現するTeraStation

トップに戻る

デジモノREVIEW通信 - 来年も宜しくお願いします(=´∇`=)ノ »


▼ はてなブックマークのコメント ▼



Vの数字:VTuberの配信のいまを「生配信」「編集動画」「ショート」の分類と配信時間から読み解く試み


【にじフェス】ライバーとリスナーが互いの「実在性」を確認し合った日 ~「にじさんじフェス2022」 in 幕張メッセレポート


「にじさんじ甲子園2022」熱狂を駆け抜けた1カ月。充実した「解説」がエンタメを加速する


トウカイテイオーと、#ウマ娘 でまた巡り逢った。テイオーを追ったリアルタイムの記憶。


映画は2回目が面白い! 僕らは鑑賞者という名の「共犯者」 ~映画鑑賞に於ける慣れと鑑賞技術の関係


「爆音上映」と「辛口ブーム」、映画の上映に於ける音量のラベリング


日本シリーズの最後のシーン(西岡選手の守備妨害)の解釈と、スポーツのルールとコントロール


モノクロレーザーのある生活 - とりあえず印刷(だ)して持って行く習慣


「スマートビエラ」が踏み抜いたというARIBの「放送の一意性確保」ルール


終わってしまった「Amazonガチャ」のサービス検証 - 変われる道はあったのか?


ドリフの思い出と"おとうさん"の言葉 - 「俯瞰的錯誤」のお年頃


「同い年の選手」が引退するニュース、そしてアニメの中の「おじさん」

ピックアップタグ




ブログ内検索



▼ コメント ▼


★コミックダッシュ! 10,000人突破ありがとうキャンペーン!(9/18~10/23)
 
デジモノに埋もれる日々 : (C) CKWorks