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2014/11/01 08:54 - 2014/11/01

日本シリーズの最後のシーン(西岡選手の守備妨害)の解釈と、スポーツのルールとコントロール


今年も一年、大いに盛り上がったプロ野球ですが、日本シリーズの幕引きは
何ともいえない微妙な結末となりました。阪神・西岡選手の 守備妨害での
ゲームセット です。後にも先にもこんな日本一の決まり方は無いのではないでしょうか。
 
■最後は守備妨害、和田監督抗議も判定覆らず - プロ野球ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20141030-1389633.html
■阪神西岡「自分を責めたい」併殺打で終戦 - プロ野球ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20141030-1389637.html
一-捕-一の併殺を狙った細川亨捕手(34)からの送球を一塁の明石がそらし、同点の走者が生還したかと思われたが、西岡がファウルラインの内側を走って送球を邪魔したとみなされアウトになった。
 ソフトバンクのナインが歓喜する中、阪神の和田監督が抗議したが、判定は覆らなかった。白井球審は「両足とも内側を走っていた。明らかに守備を邪魔しようとしていた」と説明した。

この映像、TBSの放送とBS1の放送ではリプレイの回数や角度がかなり違ったため、
TBSの放送だけ見ていた方は、「この大一番の盛り上がりを些細なルールで壊して」
という印象を持たれてしまったかもしれません。一方、BS1の映像を見た方は
それとはまた違った印象を持たれた方もいらっしゃると思います。
 
ただ、野球に詳しくない方だとそれでもあまりピンと来ていないことも多いと思います。
わたし個人としてはリプレイ映像を見た瞬間に 「あ、これはやってはいけない類のものだ」
という印象しか受けなかったのですが、そのあたりを少しお話したいと思います。

 
なお、本件によってよく周知されたとは思いますが、ルールはこれですね。
 
■最後は守備妨害、和田監督抗議も判定覆らず - プロ野球ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20141030-1389633.html
◆野球規則6・05(k) 一塁に対する守備が行われているとき、本塁一塁間の後半を走るに際して、打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判が認めた場合、打者はアウトになる。
良く分かるのがこの辺ですが、同じシーンのリプレイでも、角度によって
受ける印象がまったく変わってしまいますので注意が必要だと思います。


全体の走行ラインのお話は後ほどするとして、その前にまず、
西岡選手が一塁に到達する 直前の3歩 に注目します。
 

 
先ほどのルールのとおり、打者走者はそもそも「ファウルラインの内側」
=「フェアゾーン」を走ってはいけません。しかしここでは、
一塁ベース到達の3歩前の時点でも 右足がはっきりと フェアゾーンに
入っています。ギリギリというレベルではありません。
 
右足が、というのがポイントで、当然ながら右足がラインを踏みもしないで
「踏み越えて」いたら、左足はもっと内側を通ることになります。
 
ベース到達の2歩前、左足は当然まだフェアゾーンに落ちています。
そしてベース到達の1歩前、この時点でもまだ右足はファウルラインを踏んでいて、
しかも半分以上はフェアゾーンに落ちています。そして足の角度に注目ですが、
この1歩だけ つま先がもの凄く外側を 向いています。つまり急激な
進路変更をしようとしています。その後ろに見えるのが捕手から送球された
ボールで、この直後に西岡選手に当たっています。
 
 ・ベース1歩前まで右足がフェアゾーンにいた。
 ・1歩前で足が急に外側を向いた。
 ・1歩前時点ではボールはまだ当たっていなかった。
 
このあたりを押さえておきつつ、実際の走行ラインの話に移りたいと思います。
 

 
これが打撃直後の映像です。西岡選手はこのとき 左打者 ですので、一塁に向かって
走り始める瞬間、そのポジションは ファウルゾーンから 始まります。
一塁に向かって最短距離を走る際、フェアゾーンに入る理由は全くありません。
仮に右打者であっても、フェアゾーンは送球ライン、ファウルゾーンから
3フィート(約90cm)を示す 「スリーフットライン」 が打者走者の走行レーンと
決められており、打者走者はそこを目指して走る必要があります。
 

 
ところが、西岡選手は走り出した直後から 急激にフェアゾーンに向かい始め
アンツーカーと人工芝の境目を越えたあたりでは、この短距離の間に
完全にファウルラインを踏み越えました。この時点で「あれあれ??」という
感じです。打ったあとの「ふらつき」でこうなることも有り得るのですが、
 

 
そのあと2歩くらいで完全にフェアゾーンに入りました。打った瞬間から見ると
わずか7~8mくらいの間に、体の幅2つぶん以上くらい横にずれたことになります。
 

 
このときの構図を整理します。右側の破線が、打者が本来走るべきライン。
その横の太線が、西岡選手が走ったラインです。打者走者はフェアゾーンを
走ること自体許されないのに、それをものすごく 短時間で踏み越えて 来ました。
目線の先にあるのは、一塁手が本塁に送球 しようとしている姿です。
 
今回の件では、捕手から一塁への送球を妨害したかどうか、という視点だけが
クローズアップされることが多いのですが、その前にまず、西岡選手は
無意識にかどうかはわかりませんが、一塁手の 本塁への送球も投げにくく
なるように意識した走塁をしていることがわかります。本人がそう考えて
いなくても、そう取られても仕方がないくらいの進路変更をしています。
 
私の認識では、これが 「第一の」守備妨害行為 です。ただし、結果からして
本塁への送球は問題なく行われ、ホームはフォースアウトになりました。
そのため、ここがジャッジのポイントになることはありません。
 

 
非常に細かい点ですが、その一塁手が本塁に送球したボールが西岡選手の横を
すり抜けた瞬間、西岡選手が一瞬だけ振り返るような動作をしています。
単純に横を通る物体に注意が行っただけ、ともいえますが、
「本塁への送球は逸れていない、このままでは併殺打でゲームが終わってしまう」
ということを察知するための動きにも見えます。
 
西岡選手はこの時点でもフェアゾーンに入ったまま走行しています。しかし、
最終的にはどうあがいても、打者走者は 一塁の右を駆け抜ける しかありません。
従って、一度走行禁止領域に入ったとはいえ、そこからの走行は破線で
示されるラインのとおりファウルゾーンに向かっていく必要があります。
 

 
ところが、本塁と一塁の中間地点を過ぎても、西岡選手は頑なに フェアゾーン
の走行を死守 しようとします。厳密にいうと中間地点で一瞬だけファウルラインに
近づいたものの、そこから内側をキープする方向に「修正して」います。
 
これは先ほど最初に示した、一塁ベース到達の「1歩前」(右足)の別角度です。
ベース到達の1歩前を右足でフェアゾーンを踏んでいるということがどういうことか、
これは、
 
 一塁手と激突するラインをはっきりと選択している
 
ということです。駆け抜けようという意思があれば、途中の走行ラインが
どうであれ、最後の一歩まで内側にいるということは有り得ません。
 

 
では西岡選手は一塁手と激突したかったのか?! というと、その直後の一歩が
急激に曲がっています。最初の図でも示したとおり、ベース到達の「1歩前」だけ
着地の足が異常なほど外側に向いていました。それと思い出してほしいのですが、
この「1歩前」が着地する時点では、西岡選手には 捕手からの送球はまだ当たっていません
 
ここから推測するに、西岡選手は、
 
 ・一塁手と激突も辞さないと決めて内側を走った
 
わけでもなく、
 
 ・ボールが当たったからショックで急に進路を変えた
 
わけでもなく、
 
 ・本当の最後の1歩ギリギリまで内側を走って邪魔したあと、
  最後の1歩で進路変更して 一塁手の右を駆け抜けよう
 
と決めて走っていたことになります。
 

 
今回、西岡選手が取った走行ラインのおさらいです。
最初に急激にフェアゾーンに切れ込み、一塁手と捕手の間に入ろうとしたのが
1つめのポイント、そのあと軌道修正をしそうで最後まで修正せず、
一塁ベースの1歩手前まで頑なに両足ともフェアゾーンを走行したのが
2つめのポイントです。
 
結果的には2つめのポイントで「守備妨害」を宣告されましたが、
もう一度ルールを確認するとこうなっています。
 
■最後は守備妨害、和田監督抗議も判定覆らず - プロ野球ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20141030-1389633.html
◆野球規則6・05(k) 一塁に対する守備が行われているとき、本塁一塁間の後半を走るに際して、打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判が認めた場合、打者はアウトになる。
野手の動作を妨げたと認められた場合 に初めて「守備妨害」が宣告されるのですね。
そのため、たとえ走者は定められた場所を走っていなくても、守備の行為を妨げて
いなければそのままプレイは続きます。
 
今回の場合は、2つめのポイントで一塁への送球が西岡選手に当たり、
本来アウトにできるものがアウトにできなかったということで、
違反を犯したものが利益を得てしまう ことを是正するために
「守備妨害」の宣告が為されたわけです。
 
ちなみに、あの程度で妨害判定を取られるなんて見たことない!という反応も
いくつか見ましたが、実際問題として野球ではこの一塁への送球が走者とクロス
することで守備妨害かどうかを争うというのはわりとよくあるケースです。

探してみたらなんと一塁ゴロのホームゲッツーという 全く同じシチュエーション
見つかりました。本当に絵に描いたように同じですね。このときも
巨人の高橋選手が守備妨害を宣告されてアウトになっています。
 
これは西岡選手のときほど露骨ではなく、実況では 「全然問題ありませんね」
などとも言われていますが、実際は「全然問題ない」ということはありません。
特に一塁付近よりも、走り出し付近のところでフェアゾーンに切れ込んで
いるのは同じです。ただ、切れ込みの角度もそれほどではなく、
捕手の一塁への送球がそもそもファウルゾーンに逸れてしまっているから
走者に当たっている、というのが守備妨害ではないかもしれないという争点
が有り得るだけです。実際にフェアゾーンを走行している以上、捕手から一塁への
送球を投げにくくした、という 嫌疑が掛けられること自体 は免れ得ません。
 
 
それにしても、この大一番で勝敗を決めるような大事なシーンで、そんな微妙な
ルールを適用するなんて 興ざめだ、空気読めよ! という声もあります。
ただ、それはむしろ同じことがブーメランとしても返ってきます。
それを考えるには、このルールがなぜ存在するのか、というルールの意味から
ちゃんと考える必要があります。
 
野球では走者は、定められた領域を守備行為を妨害せずに走行することと
決められています。本塁-一塁間は前述の スリーフットライン があり、
万が一守備側の行為と交錯した場合、そのラインの中にいるときにしか
走者は保護されません。他の塁間でも実は同じで、ベースとベースを結ぶ
線上から 左右3フィートずつ までが走行ラインと決められています。
 
この領域の外に出たり、また出なくても、領域の中で明らかに守備側の捕球や
送球を妨害する行為は「守備妨害」としてアウトを宣告されます。
もし、このルールが無かったとしたら 何が起こるかというと、答えは簡単です。
 
 走者は全員、蛇行して走り、できるだけボールに当たるように
 
というのが、攻撃側としての 最適解 になってしまいます。当たり損ねや
バントで捕手ゴロになったとき、打者走者はとにかく捕手と一塁手の間に
入るように走行ラインを変え、またそれとなく蛇行をして内側にも外側にも
投げにくいようにすることが求められます。10回に1回でも凡打の
内野ゴロがエラー2ベースに なったら儲けモノです。
 
こんな美味しいことがあるなら誰でも必ず妨害ラインを走るようになるでしょう。
いや、むしろ監督・チームがそれを指導して徹底させるでしょう。
走行中に夢中で手や頭を振ったから・・・、疲れていてフラフラだったから・・・
不自然は動きはいくらでも言い訳が効きます。
 
こうしたことを常態化させないために、走者が言い訳の聞かない領域
守備側が安心してプレイできる領域というのを定めることで、
判定をより納得のいくものにしたのがこのルールの意味です。
 
先ほど、この大一番でそれを取るか? といった反応があるというのが
ブーメランになるというお話をしました。すなわち大一番であるからこそ
守備妨害を取りにくいだろう、ということを 選手に見透かされて しまったら、
こうしたギリギリの 妨害行為は大一番だからこそ「ヤリ得」に なってしまいます。
 
今回の走行の件は、実際に内野ゴロのゲッツーでゲームセット、という状態を
走行ライン1つで「最終回に同点に追いつく」という巨大なメリットに
置き換えてしまいました。これを「ヤリ得」にさせないためには、
守備妨害を宣告してアウトにするしかありません。
 
だからこそ、守備妨害は攻撃側がその行為によってメリットをはっきり
受けてしまったときには、それこそはっきりと妨害を宣告して
「ヤリ得」にさせないようにする必要があるのです。
 
 
サッカー等、ファウルの判定がファジーなスポーツではよく言われることですが、
プロの世界は特に生活を、人生を賭けて真剣にやっているからこそ、
「ファウルと言われるまではセーフだ」 という反則ギリギリを攻めることが
求められます。実際、やれる努力は何でもする、という世界では、
どこまでが「やってよいことなのか」を判断するのは難しいことです。
 
西岡選手も、もの凄い悪意を持ってやったのかといえばそういうことではなく、
とにかく 負けたくない一心で 自分にできることを何でもやるという必死な状態
だったのだと思います。だからこそ、審判のほうが線引きを正しく選手に理解させるために、
「ヤリ得」によってスポーツが壊されないように、冷徹に判断することが大切です。
(※追記もご参照ください)
 
 
さて、「ヤリ得」 というキーワードについて、少し違う事例のお話をしたいと
思います。奇しくも同じ阪神なのですが、他意は無いのでご容赦ください。
マートン選手の 「殺人タックル」 と呼ばれるものが問題になったことがありました。


いずれも解説者の方がこの走行について非常に怒っています。
ただ、実際には1つめのケースは結局少し揉めただけ。
2つめのケースでは両者ともに退場という宣告が為されています。
1つめのケースでは 田中捕手は骨折して戦線離脱 せざるを得ませんでした。
 
このケースに関して、野球のホームベースはクロスプレーが許されているし
捕手はブロックできるのだから、ランナーが捕手と激突しても何ら問題はない、
むしろエキサイティングなプレーが見所だ、という声はいまだに聞かれます。
ですが、私はこの行為は 明確にルールで禁止すべき ではないかと常々思っていました。
 
その理由は上と同じで、「ヤリ得」になってしまうからです。
捕手はボールを捕球する動作に集中しますので、自分から「いつ」
「どこ(部位)で」当たるのかを制御することができません。対する走者は、
当たり方もすべて自分でコントロールすることができます。ということは、
 
 相手に重症を負わせるようなタックルは「狙って」できる
 
ということです。これを問題ないとすることは、先ほどの蛇行走行の例と同じで、
 
 本塁突入のときには必ず急所を狙って一撃食らわせてこい
 
という戦略が利してしまうことになり、5回に1回くらい成功すれば
チームの要である捕手を数ヶ月の病院送りに できるということです。
(実際、ヤクルトの田中捕手はそういう状態になりました)
 
「明らかに次塁に到達することを主目的としない走行行為が認められた場合、
 その際に行われた接触を暴行とみなし、退場および出場停止処分とする」
 
というルールを明確にするだけも、こうした「ヤリ得」は防げるようになると
思われます。ルールというものは、許容できない逸脱した行為が十分な利を
得てしまうような状態に於いて、それを是正するために制定されるのです。
 
 
さらに話は変わりますが、同じ視点で見ると、こちらのケースはどうでしょうか。
 
■カット打法確認 明らかファウル狙いダメ - 高校野球ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/p-bb-tp3-20130913-1188423.html

2013年の甲子園で、花巻東高校 の千葉選手の打法で論争が沸き起こりました。
ほとんどファウル狙い で当てるだけの打法を繰り返し、投手の根負けを誘って
フォアボールを取りに行くという戦法でした。多少は似たようなことをする
選手もいましたがここまで徹底する人もなかなかおらず、またその技術力が
非常に高かったために成功率も高く注目されました。
 
しかし、結局は途中でルールに関する指摘が入り、「明らかに前に飛ばす意思の
無いカット打法はバントとみなされる可能性がある」というルールがあることが
判明して、同選手は大会途中で 得意の戦術を封じられる ことになりました。
 
このケースは「大会途中で」というのが非常にまずいポイントで、
地方大会の早い時点でこれが発覚・是正されていれば何も問題がなかったものと
思われます。甲子園の途中までこの戦術で活躍をしてしまったからには、
同大会の最後までは咎めるべきではなかったかもしれません。
このあたりの判断は難しいところでしょう。
 
ただ、この 打法自体が是か非か、という話でいうと、前述の「ヤリ得」になる
可能性が低くないという点で、私は今回のルール適用でバント認定したことは
正しい判断だと思っています。さすがに同選手のような非常に高い技術を持った
人は何人も出てこないでしょうが、それでも3年間この類の練習だけを必死に続けてくれば、
ある程度の成果が出せるようなレベルにはなってくることが予想されます。
 
そういう打者を9人並べると、どの試合でも相手の投手に 5回で150球を投げさせて
降板させることができる、少なくともそういう試合を「目指す」ことができるわけです。
(繰り返しますが、誰でも千葉選手のようになれるという話ではありません。
その半分でもできるように鍛錬すれば、戦術が成り立つ可能性があるというだけです)
 
1番から9番まで打者が誰一人としてヒットを狙わず、相手のエース投手を降板
させることだけを考えてひたすらにファウルゾーンに球を転がす、、、
そんな試合が全国各地で見られるようなることを想像するとさすがにゾッとします。
 
 
スポーツに於ける「ルール」というのは、スポーツに於ける「意思」でもあります。
 
サッカーのオフサイドというルールは元々はラグビーの「前にパスを出してはいけない」
というルールが徐々に緩和されて最後に残ったルールのようですが、それでも
ルールを全て撤廃して相手ゴール前でタムロして待っていてボールを受けても良い、
というルールにはしませんでした。お互いのフォワードが 敵地でじっとボールを
待ち続ける だけのゲームは躍動感に欠けるから、という思いがあったのだと思います。
 
同じくバックパス禁止という新しいルールも、1点リードしたチームがただひたすらに
ボール回しをしてはキーパーに返す、という 時間稼ぎを繰り返す光景
魅力に欠けるという思いから生まれたものだと記憶しています。
 
それぞれのスポーツの目指す「思い」が交錯する中で、「こんな戦術がまかり
通ってはならない」という、いわば ルールの脆弱性 が発見されるたびに、
新しくルールは制定され、「ヤリ得」にならないようコントロールがされてきました。
今回の日本シリーズの件を見て、
 
「なんでスリーフットラインなんてしち面倒くさいルールがあるんだ」
 
と思った方もいらっしゃると思いますが、送球を邪魔すれば邪魔するほど
どんどんお得になる、という考え方をできるだけさせないように、
ルールで頑張ってコントロールしているんだ、という風に考えていただければ、
ある程度納得はして頂けるのではないかと思います。
 
西岡選手はゴロを打ってしまった瞬間から、自分に残された最大限の努力を
しようとしましたし、審判の方はそれが「違反のヤリ得」にならないように
冷静なジャッジを下しました。このお話はそれで終了。ゲームセットです。
 
 
終わり方がどうあれ、1年間戦い続けてきた選手の方々の素晴らしい戦いの思い出が
色褪せるわけではありません。今年も1年、プロ野球を存分に楽しませて頂きました。
福岡ソフトバンクホークスの皆さま、日本一おめでとうございます。
 
 
 
※追記 2014/11/01 17:55
これだけ書いた以上、この発言に触れないワケにはいかなくなってしまいました・・。
後日、西岡選手は ご自身のfacebookにて、こう発言されていたとのことです。
 
■Yahoo!ニュース - 阪神・西岡がFBで守備妨害を釈明「スレスレを走って体に当たれと思いながら...」 (デイリースポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141031-00000066-dal-base
「ルールで内側に入って送球が当たれば 守備妨害は百も承知です! ルールを知った上で打った瞬間ゲッツーになると思ったので、少しの可能性にかけて内側から外側に走って行くものを、ライン上スレスレを走って 体に当たれと思いながら 走ってました!僕は送球が 当たるときに足が外側にあればいいと 思って走ったので、僕なりにルール上ギリギリのプレーはしたつもりでした!」
この発言を しない からこそ、「心の中の問題」は選手ご自身しか分からない
からこそ、私も含め「無我夢中だっただけで、悪意を持ってやったわけではない」
という "解釈"をしてあげる ことが可能だったのですが、それをご自身で壊して
しまうことになるのは少々残念です。
 
■阪神西岡「自分を責めたい」併殺打で終戦 - プロ野球ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20141030-1389637.html
西岡は「最初、打ったら、左打者は内に入る。プレーどうこうはね...。故意でできるはずがない。ケガして始まった1年。最後に僕で終わったことが1年間を物語っている。応援してくれた阪神ファンやチームメートにも、申し訳ないという言葉ではすまされない。自分を責めたいと思います」と話した。
試合終了直後はちゃんと 模範解答 ができていたのに、どうしてfacebookだと
油断してしまうのでしょうか・・・。クローズドSNSの魔力なのでしょうか。
 
この発言が今後に与える影響というのは少なくないと思います。西岡選手の
罰則云々という話にはならないとは思いますが(結果で利したわけでは
ないのでシーズン後に延々とそれを咎めても仕方がありませんし)、
今後の判定のあり方について、このタイプの妨害行為は、
 
 「やはり相当厳しく取らないとダメだ」
 
という認識を与えるに十分な材料を与えたことになります。本稿でも繰り返して
いるように、送球の妨害を目的とした走行が攻撃側にとって 十分やる価値がある
「ヤリ得」になる、と認識されうる状況は見過ごせるものではありません。
 
今回、西岡選手が「途中で違反領域を走っていても、ボールが当たる瞬間に
違反領域さえにいなければ、その前はいくら邪魔しても咎められないだろう」
という意味の発言をしていたということになれば、すなわち今後は、
 
 「たとえ送球前の状態であっても、送球の邪魔をする領域に走者が
  少しでも入った場合は、それを送球の妨害行為と認定するのが望ましい」
 
とせざるを得なくなります。これは現ルールのままでもそういう運用をすることが
可能ですので、ボールが走者に どこで当たる、当たらないは関係なく
走者が送球の邪魔になる領域に踏み込み、その後送球が失敗して攻撃側が利する
状況になれば、常に守備妨害の嫌疑が掛けられることになるでしょう。
 
繰り返しになりますが、走者が守備側の捕球、送球行為をわざと妨害するような
行為をすることが「ヤリ得」にならないようにするために、ルールは制定され、
運用されています。その意味を今、もう一度見つめなおす機会になっている
のかもしれません。
 
たとえば走者一塁からの併殺打の際に、一塁走者が二塁ベースとは全く異なる
方向に滑り込む行為なども、今後は厳しく守備妨害を宣告していくことを検討
したほうが良いかもしれません(個人的にはあれも守備妨害だと思います)。
「邪魔したほうが得」と思えるような状況を作らない努力が求められます。
 
 
(関連)
■2010/08/09 [「高校野球」と「バント」と「進塁」と「守備戦略」 - 野球のミドコロ]

CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。



投稿者 CK : 記事URL | コラム | | 2014/11/01 08:54


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▼ コメント ▼

No.66465   投稿者 : k   2014年11月 1日 09:43

とてもわかりやすく興味深く読ませてもらいました
知人などと論議になったら参考に見てもらおうと思います。


No.66859   投稿者 : pr08008   2014年11月 4日 20:42

ホームのラフプレーは賛成ですが、西岡の走塁とカットに関しては反対ですね!
前者と後者では、意味合いが全く違います。
走塁とカットは技術です。ルール上、ギリギリのプレーが出来るというのも技術です。それを禁止してはスポーツの醍醐味が消失します。
絶対にルールに規定してはいけないことだと思います。


No.66860   投稿者 : 匿名   2014年11月 4日 20:42

ホームのラフプレーは賛成ですが、西岡の走塁とカットに関しては反対ですね!
前者と後者では、意味合いが全く違います。
走塁とカットは技術です。ルール上、ギリギリのプレーが出来るというのも技術です。それを禁止してはスポーツの醍醐味が消失します。
絶対にルールに規定してはいけないことだと思います。


No.66869   投稿者 : 匿名   2014年11月 4日 22:47

 西岡選手の守備妨害については完全同意です。
 ルールがそのスポーツの望む形を規定するというのも同意です。
 本塁のクロスプレーに関しては、そもそも「ボールを保持していない捕手が走者の進路を塞ぐ」のがルール違反であり、にも関わらず、膝の下にちょっと本塁を見せて他を塞ぐような行為が横行しているにもかかわらず走塁妨害がとられなかったために、対抗手段としてタックルするような選手が出てきたわけで、ルールの規定に従って、ボールを持っていない捕手が走者の進路を塞いだ時点で走塁妨害をとるべきだと思います。その上で、明らかにボールを持って待っている捕手にタックルを使用とした場合、守備妨害をとるとすべきで、順序が違うと思います。
 カットについては、大会終了後などに「以後バントとみなす」などとルールに付記する事には賛成ですが、まさに大会開催中にこれまでセーフとされてきた行為をNGとするのは、ルールの運用の面から望ましくありません。
 ルールで禁止すべき行為をルールが定めていないのであれば、それはルールの不備であって、個々の選手が強制的に自粛させられるようなものではないはずです。


No.66870   投稿者 : 匿名   2014年11月 4日 22:48

 西岡選手の守備妨害については完全同意です。
 ルールがそのスポーツの望む形を規定するというのも同意です。
 本塁のクロスプレーに関しては、そもそも「ボールを保持していない捕手が走者の進路を塞ぐ」のがルール違反であり、にも関わらず、膝の下にちょっと本塁を見せて他を塞ぐような行為が横行しているにもかかわらず走塁妨害がとられなかったために、対抗手段としてタックルするような選手が出てきたわけで、ルールの規定に従って、ボールを持っていない捕手が走者の進路を塞いだ時点で走塁妨害をとるべきだと思います。その上で、明らかにボールを持って待っている捕手にタックルを使用とした場合、守備妨害をとるとすべきで、順序が違うと思います。
 カットについては、大会終了後などに「以後バントとみなす」などとルールに付記する事には賛成ですが、まさに大会開催中にこれまでセーフとされてきた行為をNGとするのは、ルールの運用の面から望ましくありません。
 ルールで禁止すべき行為をルールが定めていないのであれば、それはルールの不備であって、個々の選手が強制的に自粛させられるようなものではないはずです。


No.66871   投稿者 : 匿名   2014年11月 4日 22:55

ルール上ラインより内側を走っていたので守備妨害なのはわかる。
が、キャッチャーからすればランナーのいないところに投げるようにしないといけない。ランナーだって背中からくるボールにわざと当たることはできないし、守備妨害を取ってくれるとも限らないからだ。細川捕手が本当に守備妨害狙いで送球して西岡選手に当てたならアピールしていいと思う。西岡選手のミスが大きく取り上げられているが、プロの捕手として細川捕手がランナーに当てずに送球できなかったミスも大きい。捕手がランナーに自分の送球を当てておきながら審判に守備妨害をアピールするのはみっともない。


No.66873   投稿者 : 匿名   2014年11月 4日 23:17

過去に捕手だった古田さんが、選手が内側を走っていたらわざと当てる、というようなことも言っています。捕手が狙って当てることもまた作戦の一つで、それも含めすべて駆け引きだと思います。細川さんがそれをねらったかどうかは知りませんが。


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