TMPGEnc VMW5ではCUDAエンコーダを指定しないとCUDAは前処理だけに使われる

2013/09/23


 
先日 TMPGEnc VMW5 と GTX650Ti によるCUDAエンコードの記事を書きましたが、
コメント欄で下記のように、間違いのご指摘 を頂きました。

 
■2013/09/21 [GeForce GTX650Ti のCUDAを試す i7-875K環境でエンコード時間が3分の2に短縮
GeForce GTX650Ti のCUDAを試す i7-875K環境でエンコード時間が3分の2に短縮]
●No.36936 投稿者 : ぽぽろ 2013年10月19日 20:01
2パス/VBRの設定だとエンコードにCUDAは利用できないです。
フィルタの方はエンコード設定に関係なく効果があるので、早くなったのはそのせいかと。

えっ! と思って確かめてみたところ、ご指摘を頂きましたとおり
CUDAエンコードオプションについて 私が勘違いをしていた ことが分かりました。
大変失礼いたしました。そしてご指摘ありがとうございました m(_ _)m
 
私は先の実験でCUDAのハードウェアエンコーダが使用されているものだと
思っていました。ところが、実際にはCUDAのハードウェアエンコーダは
使用されていない というのが正解だったようです。というのも、
 

 
今まで全く気にしたことがなかったのですが、エンコードオプションの中には
ずっと 「映像エンコーダ」 という選択肢が存在していて、そこにCUDAが
加わっていたからです。これを 「x264」 ではなく 「CUDA」 に変えることで
初めてエンコーダとしてのCUDAを使うという指定になります。
 

 
ということで、この TMPGEnc VMW5 のCUDAオプション設定は、
私は最初こういう意味で読んでいたのですが、
 
 ・NVIDIA CUDA使用
  ⇒ エンコードにCUDAのハードウェアエンコーダを使う
 ・フィルタリングにCUDAを使用する
  ⇒ フィルタリングにもCUDAのGPUを使う
 
実際には、こういうことになるのですね。
 
 ・NVIDIA CUDA使用
  ⇒ 映像エンコーダで「CUDA」を選んだときだけ
   CUDAハードウェアエンコーダを使う
 ・フィルタリングにCUDAを使用する
  ⇒ フィルタリングにCUDAのGPUを使う
 
先日の設定は、両方にチェックを入れつつ、映像エンコーダにはCUDAを
選ばなかったため、フィルタリングだけにCUDAのGPUを併用した
という状態になっていたというワケです。
 
このあたり、TMPGEnc Xpress4.0の頃とちょっと違う気がするのですが
気のせいでしょうか・・・というのも、以前はエンコーダを考える間もなく
CUDAを使ったら明らかに画質が変わったような気がしましたので。。
 

 
あらためてCUDAのエンコーダを使うようにして実験をしてみると、
このようにちゃんと 「CUDAエンコード有効」 という表示が出ました。
そして・・・、
 

 
前回と同じソースがなんと 15分でエンコード完了 してしまいました!
 
1時間24分 (84分) : CUDA未使用
0時間53分 (53分) : CUDA使用(フィルタのみ)
0時間15分 (15分) : CUDAエンコーダ使用
 
おおい、ここまで全然違いますか(;゜д゜) ここまで速いとちょっとビックリです。
CUDAを全く使わなかったときと比べると 5~6倍速く なっています。
 
しかし、一方で、今度は 画質の劣化はハッキリと 見られました。
 
劣化というか、TMPGEnc VMW5 の x264 ソフトエンコードロジックと比べると
CUDA 3.1 のハードウェアエンコーダの画質はちょっと苦しいというのが
正直なところです。動きのないシーンだとほとんど気にならないのですが、
急な動きが画面全体で起こるような際どいシーンだと画面全体に一瞬だけ
ざわっ!という感じで ブロックノイズが目視できるような状態になるのです。
 
もしかするとロジックの優劣というよりは、1passしか使えない
いうことが大きく影響しているのかもしれません。いずれにせよ、
CUDAのハードウェアエンコーダを用いたエンコードは、いくら速くても
私自身としては ちょっと満足はできない な、という印象を持ちました。
 

 
もう一度、別の短いソースで比べてみました。
 
5分49秒 (349秒) : CUDA未使用
3分57秒 (237秒) : CUDA使用(フィルタのみ)
0分56秒 ( 56秒) : CUDAエンコーダ使用
 
やはり、CUDAをフィルタのみで使うと 150% くらいの速度アップ、
そしてCUDAエンコーダを使うと 600% くらいの速度アップになりますね。
 
逆にいえば、CUDAを前処理(フィルタ)に使うだけであればほとんど画質には
影響しないということにもなりますので、むしろこの 150%の速度アップの
恩恵は しっかり受けおくのが吉ということになりそうです。
 
そういう意味で GeForce GTX650Ti はエンコードにも 十分役に立つ という
結論になるでしょう。私も最初はCUDAエンコーダの画質劣化がどこで出ているか
分からないという理由で、
 
急にロジックが変わってしまうのはキモチワルイもので、、、私は本当に何となくですが、CUDAは使わずに 今までどおりソフトエンコードロジックのほうを使ってエンコードをしようと思ってしまいます。
などといってしまったのですが、この検証でエンコーダ自体はx264ソフト
エンコードを使いつつCUDAを前処理だけに使えるということが分かりましたので、
これからは積極的に恩恵に授かっていきたいと思います。


2013/09/23 [updated : 2013/10/20 00:35]


この記事を書いたのは・・・。
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