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2005/06/12 23:59 - 2005/06/12

Blu-rayか? HD DVDか? 「統一こそ正義!」を叫ぶ前に考えること

カテゴリ : コラム タグ :

    日曜コラムです・・・が、
    今回はちょっと趣向を異にしています。ちょうど1ヶ月前の5/10、日経新聞に
     
     「次世代DVDをソニー方式で統一」という衝撃的なタイトル
     
    の記事が掲載され、その直後に関係各社はそれを否定したコメントを
    発するという、てんやわんやの騒ぎがありました。
    結局、Blu-ray陣営のSony、松下、HD DVD陣営の東芝は、交渉の事実は
    認めたものの、それが事実上白紙にまで戻ったことも報道されました。
     
    消費者としては、
     ・Blu-rayのほうが大容量録画ができてでイイ!
     ・HD DVDのほうが映画が安くなりそうでイイ!
     ・どっちでもいいから統一だけはしてくれ!
     
    などなど、いろいろな意見があるかと思います。しかしその前に、
    次世代DVDをめぐる争いとは一体どういう争いであり、各社が譲れないセン
    とはどんな部分であって、消費者から見るとどんなシーンに影響が出てくるのか、
    一度しっかりと確かめてみるのも良いでしょう。
     
    本田雅一氏がITmediaで連載している「次世代DVDへの飛躍」は、
    その材料として非常に豊富な情報源となりそうです。
    ここではその中でも、5つのインタビュー記事 を取り上げ、
    インタビュー相手の主張を箇条書きにしてみました。
    その5つのプレイヤーとは、以下の5社のことです。
     
     ・Blu-rayにコミットした Disney のインタビュー(2005/02/22)
     ・中立を主張した 20th Century Fox のインタビュー(2005/04/01)
     ・HD DVDにコミットした Warner Bros. のインタビュー(2005/04/13)
     ・統一交渉決裂後の Sony のインタビュー(2005/05/27)
     ・統一交渉決裂後の 東芝 のインタビュー(2005/06/06、2005/06/08)
     
    映画会社が語る次世代DVDへの要望、規格分裂と統一交渉を繰り返す
    当事者の言い分、皆さんはどのような印象を持たれるでしょうか?
     
    ==================================================
    ■2005/02/22 連載:次世代DVDへの飛躍
    BD陣営に初めて強くコミットした“ハリウッドメジャー”――ディズニーの真意 (1/4)
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0502/22/news104.html
     ・BDは インタラクティビティ で優位。エンタテインメントを作るうえで欠かせない。
     ・2層BDの歩留まりが悪いのは承知の上。初期のDVDもそれは同じだった。
     ・映画1本収録だけではない多彩な仕組みを入れたい。容量はあればあるほど良い
     ・来年中にはソフトを出す。おそらくDVDより若干高い程度で収められる。
     ・テレビ放送のHD画質化が進めば、パッケージとしてのSD画質は価値が下がる。
     
    ■2005/04/01 連載:次世代DVDへの飛躍
    年内には立場をハッキリさせる――20世紀フォックス (1/5)
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/01/news079.html
     ・あくまでも中立の立場。BDに要望を出すために必要だと思ってBDAに参加した。
     ・青紫レーザは最後の波長。その中でギリギリまで容量を出すBDはメリット。
     ・現時点で 複製コストを考えても 仕方が無い。普及すれば下がるものだ。
     ・まず コピープロテクションありき。それが決まらないうちから支持も何もない。
     ・容量に「十分」なんてない。映画1本収めるだけがパッケージの売り方ではない。
     ・Javaで映画本編にメイキング映像や音声をオーバーレイさせたりしたい。
     ・DVDとは違う高付加価値な市場を創出したい。逆転させるシナリオではなく。
     
    ■2005/04/13 連載:次世代DVDへの飛躍
    「われわれは2年待った」――ワーナーがHD DVDを選んだ理由 (1/5)
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0504/13/news080.html
     ・BDのコーティングは ハードな使い方 に耐えられるという保証が得られなかった。
     ・MPEG2での収録時間比較 はROMパッケージでは意味が無い。
      H.264やVC-1の採用を見据えれば、HD DVDの30GBで困るシーンはない。
     ・H.264やVC-1は圧縮時間が長いが、ROM製作ではそれは問題にならない。
     
    ■2005/05/27 緊急インタビュー
    ソニー・西谷氏に聞く「次世代DVD統一交渉の顛末とこれから」 (1/4)
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0505/27/news092.html
     ・ビデオテープの戦いとは違い、映像録画だけに留まる話ではない大問題だ。
     ・BDAでは 0.1mm構造さえ採用してくれれば、他の点は妥協する覚悟があった。
     ・映画ROMだけではない。レコーダも、PC向けもある。容量に「十分」はない。
     ・東芝は大容量関連は 「HDDで十分」というが、そうとは言えないでしょう。
     ・交渉は断絶したワケではない。ただ、0.1mm構造を外れる話はしにくい。
     ・BDには既に「製品」がある。これより 小さい容量での「統一」 はない。
     
    ■2005/06/06 インタビュー
    東芝・藤井氏に聞く――次世代DVD統一交渉“決裂”の背景(前編) (1/3)
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0506/06/news054.html
     ・統一交渉=0.1mm支持ではない。0.1mmでも十分に良い選択があるなら、という話。
     ・BDは量産化・コスト低減できると主張していたが、裏付けが何も見られなかった
     ・光ディスクだけでなく、HDD、フラッシュ、ネットワーク も含めた環境考慮を。
     
    ■2005/06/08 インタビュー
    東芝・藤井氏に聞く――次世代DVD統一交渉“決裂”の理由(後編) (1/3)
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0506/08/news004.html
     ・統一交渉に入るやいなや、不利な内容が新聞にリーク。疑心暗鬼にもなる。
     ・「0.1mmありき」で他の可能性を頭から否定しては、消費者利益無視になる。
     ・安易な妥協には独禁法リスクが伴い、歩み寄った東芝だけがそれを背負わされる。
     ・ノート用(薄型)、車載用(振動耐性) など、BDドライブに技術的ハードルが多い。
    ==================================================
     
    どの情報も各社の思惑がタップリ詰まっていますから、そのまま鵜呑みにする
    ワケにはいきません。しかし、各社が何を思い、何にこだわっているのか、
    それを判断する情報が沢山出てきますので、非常に良い参考材料になるでしょう。
     
    私自身は、最後の東芝の方のインタビューに一部、とても同意するところがあります。
    Blu-rayよりHD DVDのほうが優れている云々、のお話ではありません。
     
     『統一』の安易な推進は、消費者利益にならない
     
    という点のことです。
     
    こう書くと、ビックリされる方のほうが多いかもしれません。
     
     「あのベータVHS戦争の悲劇を繰り返せというのか!?」
     
    そう反論される方も多いことでしょう。もちろん、単純に1種類と2種類という
    差だけ見れば、1種類への統一のほうがメリットが大きいことは確かです。しかし、
    そのメリットをしても余りあるほどのデメリットが『統一』によって生まれるとしたら、
    そんな統一はしなかったほうがマシだ! という話になる可能性だってあるのです。
     
    私たちはそんな状況を 「地上デジタル放送」 で目の当たりにしてきました。
    法制度の下で各社が一致団結し、対抗勢力は法的に存在しないことになった「地デジ」。
    その地デジが コピーワンス必須化 を決めたとき、それを止められる人は誰もいませんでした。
    次世代放送規格は「地デジ」しか存在し得ないと決まっていますから、そこに
    消費者が良いものを選別・淘汰していくという 市場原理が働く余地 はなかったのです。
     
    実は私は以前から、もしBlu-rayが主流になった場合、メディアの購入枚数を増やすような
    使い方に仕向けられるのではないか、という不安を持っていました。なぜなら、
    HDD事業を持つ東芝と、そうではない企業では、光ディスクそのものの売り上げ
    こだわる度合いが異なると考えるからです。その結果、コピーワンスの厳格化が進められ、
    一度書き込んだ映像を他に移せなくなるスタイルが確定してしまうのではないか?
    (=ディスク購入枚数が増えて企業はホクホク)と、そんなリスクを想像したのです。
     
    業界が一致団結したそのとき、消費者側に自然発生するリスク・・・。
    テレビ放送? 音楽配信? 電子出版? パソコンOS? 私たちがあらゆる場面で
    体験してきたそんなリスクのことを、ここでも真剣に考えてみるべきかもしれません。
    統一には確かに良い点も沢山ありますが、それ「だけ」にこだわってしまうと、
    もしかしたらとても 大切なものを見失ってしまう かもしれません。

    CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
    ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。



    投稿者 CK : 記事URL | コラム | | 2005/06/12 23:59


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    No.1349   投稿者 : タカタカ   2005年6月13日 20:10

    お久しぶりです。お昼に書き込んだら蹴られました(ToT)
    シャープのBlu-rayレコーダーBD-HD100を使ってるのでこの件は興味深く観察してます。
    個人的には「プロテクトを破られたDVDの替わりに、画質の善し悪しにかかわらず目先が新しく、製造コストが安くてプロテクトが強化されたHD DVDに移行したいコンテンツホルダー」と「価格破壊をしてしまったDVDレコーダーの替わりに、稼げる次世代DVDを投入したいハードウエアーメーカ」の争いだと思ってます。どちらも消費者のためとは言ってるけど「会社の利益が最優先」であるのは間違いないでしょう。それにしても「正義」って(^_^;>T
    で、統一に賛成かというと「どっちでもいいや」。決着に2、3年かかるなら、今ある物で今を楽しみます。


    No.1356   投稿者 : CK   2005年6月16日 02:33

    ●タカタカさん
    書き込んで頂いたコメントを弾いてしまって本当に申し訳ございませんでした(;´д⊂)
    企業が消費者に喜んで貰うことで利益を追求するならハッピーなことですが、
    業界が結託して消費者の逃げ場を無くそうという方向に動いてしまうと不幸な展開になりますよね~。
     
    コピーワンスという規格は、違法コピーをなくすためではなく、「メディアを大量消費させるため」と
    「録画物を長期保存させずにオフィシャル商品を買わせるため」というのが真の目的だと思っていますので、
    そういう規格が安易に採用されないよう、複数の規格のうち消費者が選択したものが残る、
    というプロセスをもう少し有効に働かせたいですね。
    SACDやDVD-Audioも、そうやって業界の要望ばかり取り入れた結果フェードアウトしましたし・・・。


    No.1363   投稿者 : タカタカ   2005年6月16日 22:38

    「正義」という言葉にちょっと反応して書き込んでしまったけど、このての議論は2chに任せることにしますが・・

    おっしゃるとおり「消費者が選択したものが残る」でいいんじゃないかな。BD陣営、HD DVD陣営、マスコミのホラ合戦に一喜一憂してもしょうがないし、発売された製品を見て「よければ買う」でいくつもりです。


    No.1370   投稿者 : CK   2005年6月19日 03:09

    ●タカタカさん
    まぁ確かに「正義」は・・・ちょっとアレですが( ̄▽ ̄;)
    消費者無視で安易な業界団結に走られるよりは、健全な競い合いが起こるほうが
    メリットをもたらす場合もあることを、改めて心に留めておきたい気分です。
    タカタカさんのおっしゃるとおり、ビジネスを勝ち抜くために出す企業メッセージに、
    消費者が一喜一憂で踊らされるのもナンですしね~。


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