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2005/02/27 23:59 - 2005/02/27

生中継と録画放送を巡る視聴者の心理モデル

カテゴリ : コラム タグ :

    日曜コラムです。
    昨日2/26に行われた 「楽天 vs 巨人」 のプロ野球オープン戦、
    あの一場投手が登場するということで、ご覧になった方も多いと思います。
     
    この日、日本テレビは15:50~17:00という枠を取って、この試合を編集して録画
    放送しました。試合中継というよりは、言ってみれば 「ダイジェスト放送」 であり、
    注目の一場選手の投げっぷりを放送したあとは、巨人、楽天の得点シーンが
    あった回を中心に、あとは日テレということもあって巨人の有名選手を追った
    構成になっていました。最終回、楽天の選手がタイムリーを打った後、何故か
     
     次のバッターは巨人の選手だった
     
    というシーンには、思わず苦笑いした方も多かったことと思います。
     
    しかしあの日、ジャイアンツ専門チャンネル「G+(ジータス)」では、
    この試合を13:45~16:30まで生中継しており、私は実はそちらを先に見ていました。
    そこではやはり、生中継の重みとも言える緊張感がしっかりと存在していました。
     
    テレビ番組には、「結果」を知ることが重要でありながら、その「経過」に対して
    興奮と感動を覚える番組形態が存在します。そう、それがスポーツ中継です。
    このスポーツ中継は、生中継であるか、録画放送であるか、という差が、
    視聴者にとって非常に重要な要素になります。その心理について考えて見ましょう。
     
    スポーツ中継に於いて、「生中継」は言うまでもなく最高の放映形態です。
    生中継を楽しむには、視聴者側にもある程度の前知識や観戦スキルが
    求められますので、そのスポーツにあまり詳しくない人にとっては生中継は
    初心者に優しくない放映形態として写るかもしれませんが、ある一定の、
    それもあまり高くない初期段階のハードルを越えた基礎知識を持った方にとって、
    スポーツは生中継ほど興奮と感動を覚える放映形態はありません。
     
    生中継は、起こっている事象に対する 興奮と感動 を、放送者と視聴者が同時に
    体感する特異な形態です。いや、もうちょっと違う言い方をして見ましょう。
     
     生中継は視聴者より先に結果を知るものが居ない
     
    ことを保証する放映形態です。つまり、誰かが既に知っている結果を後から
    見ているのではなく、自分が、その事象を知った初めての人間の1人
    であることが保証されている放映形態なのです。このことが、
    視聴者の興奮と感動を増幅している大きな要素になっています。
     
    一方、例えば昼間に行われた試合が、夕方に録画放送されることを考えて見ましょう。
    そのとき、視聴者であるあなたの脳裏にこんな考えが思い浮かびませんか?
     
     「あー、この試合の結果、もう知っている人がいるんだよなー」
     
    録画放送であるからには、最低でも 放送局のスタッフ だけは、その試合を
    既に開始から終了までタップリ堪能しています。更に、試合会場に足を運んだ
    熱心なファンもモチロンその興奮と感動を堪能した後です。加えて、昼間の試合
    終了後から夕方の放映開始までの間に、ニュースを通じて 結果の情報だけを
    得た人も大勢います。彼らは興奮と感動とは無縁ですが、スポーツ中継に於いて
    最も重要な知識である「結果」を、自分よりも先に知っています。
     
    こうした環境は、自らの興奮と感動を冷めさせるに十分なものに成り得ます。
    更に言えば、その録画放映中に、放送局の意向で編集が入れば入るほど、
     
     「試合があった」→「誰かが編集した」→「自分が見ている」
     
    という構図が強調され、「自分は遅れて知った人間」 という意識を
    視聴者に植えつけてしまうことになります。
     
    そう、録画中継で満足できない確率 は、その番組内容(あるいは結果)を
    如何に多くの他人が 自分より先に知りうるか という点に左右されるのです。
     
    冷静になって考えて見れば、他人が知っているかどうかなどということが、試合自体の
    興奮と感動に関係があるワケがありません。しかし視聴者にとっては、自らがその
    興奮と感動の「最初の体験者」になれるかどうかで、番組の価値が上下してしまうのです。
     
     
    ある程度そのスポーツに精通した人にとって、生中継が至上の放映形態となることは上述
    しました。では、ここで考え方を変えてみましょう。生放送が見られる環境にない時、
     
     録画放送で満足できる条件とは何でしょうか?
     
    これはちょっと興味深い考察ポイントになります。
    試合の興奮と感動を自分より先に味わってしまう他人が存在する確率は、
     
     1)現実の試合からの 遅延時間
     2)試合結果を 知りうる人 の規模
     
    の2点からで表され、その結果は時間軸に対して急上昇してからサチることになります。
    右の図をご覧ください。あくまで模式図ですので参考程度にご覧頂きたいのですが、
    有料放送などの生中継が無い場合(青)でも、放送関係者とライブ観戦者は
    試合直後には「完全な体験者」になります。有料放送などで生中継が有る場合(赤)は、
    更にその体験者が増えることになります。その後じわじわ増えていくのは、
    ニュースなどで結果やダイジェストだけを知る擬似体験者です。
     
    そしてようやく録画放送が始まったときには、自分より先に 興奮と感動を味わった
    人が一定数存在することになります。この規模は、そのスポーツの人気に比例しますので、
    同じグラフでも、縦軸のスケールはジャンルによって異なると考えてください。
     
    これで、自分より「果報者」な観戦者の存在が、大体把握できたことになります。
    次に、実際に録画放送を見る際の、「冷めのモデル」 を考えることにしましょう。
     
    これは先ほどの、自分より先に興奮や感動を体験できた人、ニュースなどで結果を既に
    知っている人の規模を基本として、もう1つの要素、「試合の観戦時間」
    決まってきます。すなわち、試合時間が長ければ長いほど、途中で、
     
     「あー、この試合の結果、もう知っている人がいるんだよなー」
     
    という考えが湧いてくる可能性が高まってくるのです。この「試合時間」と
    「既知者の規模」のカンケイを考えてみてください。ちょっと面白いことになります。
     
    ■如何に他人にとって既知であっても、短い試合時間 であれば気にならない。(○)
     例)競馬のレース、相撲の大一番、オリンピックの陸上競技など。
       1コンテンツが1~3分なら、「冷め」に突入するヒマがない。
     
    ■長い試合時間でも、既知な人の 規模が限定的 な場合は、何とか耐えられる。(△)
     例)F1レース、ビリヤード、欧州サッカーなど。
       1コンテンツが2時間程度だが、見ている人は少ない。
     
    ■既知の人が多く、且つ、長い試合時間の録画放送は、耐えられない。(×)
     例)プロ野球、Jリーグ、ゴルフなど。
       ラグビー、バレーボールなどは既知の規模が微妙に足りないからOK?
     
    このように、実際に録画放送を見ているときに、
     
     急激に「冷め」に襲われる心理モデル
     
    というものは、試合時間中に於いて、既に結果を知っている層が存在することを
    意識する可能性があるかどうかで決まると考えられます。どんなに多くの既知者が居ても、
    冷めるヒマを与えなければ(=短い試合時間)冷めずに見られますし、冷める時間が
    長く存在しても、既知者の規模が少ないことを知っていれば(=マイナースポーツ)
    自分が遅れている人間だと感じずに済みます。録画放送の「冷め」は、
    既知者の多いスポーツを長時間見る際に、最も強く現れてくるのです。
     
    これらに加えて、編集上の構成から既知者の存在を暗にしらしめるようなケースも、
    「冷め」の大きな要因となるでしょう。サッカーの試合などで、ハーフタイムに入ったあと、
    1~2分のCMを挟んですぐに後半が始まったとき、「あ、これ録画だったんだ」と妙にガッカリ
    するときがあります。逆にボクシングなどでは、ラウンド間に2分も3分もCMを挟まれると
    「こんなに長く休んでいるワケないだろ!」と感じて、やはり冷めることがあります。
     
    しかし視聴者の心理には、こうした編集上の理由で強調される「冷め」と微妙に軸の違った、
    「自分が興奮と感動の最初の体験者だ」というプレミアム感を損なわないための環境が
    ことさら重要になります。今回のお話では、そのプレミアム感が、自分より先に興奮を、感動を、
    そして結果を知っている人々の存在を意識してしまう可能性に依ってしまうことをお話しました。
     
    最後に1つ付け加えておきますと、この心理モデルは、実は生中継の価値がこれからも
    常に向上し続ける ことを示しています。というのも、生中継の価値が既知者の数に
    影響されるということは、情報伝達の容易さに比例する ことを意味しているからです。
     
    昔だったら、F1中継の結果は深夜の録画放送が始まるまでは知りようがありませんでした。
    昔だったら、欧州サッカーの結果は新聞にも載っていませんでした。今はこうした
    情報は次々にインターネットから飛び込んできます。こうした情報インフラは、つまり
    「既知者の規模を極限まで増やす役割」 を果たしているのです。
    だとすれば、今まではプレミアム感を感じていたF1や欧州サッカーの録画放送も、
    だんだんと生中継でないと満足できない可能性が高まってくるに違いありません。
    情報がオープンになればなるほど、人々は、興奮と感動の最初の体験者、つまり、
    「生中継の観戦者」になりたがるワケです。スポーツは、観戦するほうも「戦い」なのです。

    CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
    ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。



    投稿者 CK : 記事URL | コラム | | 2005/02/27 23:59


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    ▼ コメント ▼

    No.711   投稿者 : うらら   2005年2月28日 17:22

    生中継と録画だけでなく、生中継の録画と録画の録画があったりしますね。

    どうせ生で見れないのなら、録画されたダイジェストの方がいいような気がします。
    (プロ野球は、とにかく長いですから・・・)
    それとも、自分で早送りできる生中継の録画の方がいいのかな?
    まあ、好みは人それぞれということです。ハイ。


    No.718   投稿者 : CK   2005年3月 1日 14:43

    ●うららさん
    そうですね、私がここで言及したのは、「放送局から流れてくる段階で、生中継か/録画か」という点でした。
    確かに、更に自宅のビデオ録画機器を、使う場合/使わない場合の差も考える必要がありそうですね。
     
    生で見る選択肢が絶対不可な状況であれば、ダイジェストのほうが嬉しいのは同感です(´ー`)ノ
    その場合、どうせ録画なのであれば、出来るだけ要点のみをまとめて短時間で見せてほしいと思いますね~。
    ・・・っと、それはイコール「スポーツニュース」ということになってしまいますが(笑)
    「楽天vs巨人」の試合も、3時間→1時間強へのダイジェストでしたが、それでも全部見るのはキツかったです・・・。


    No.719   投稿者 : too   2005年3月 1日 15:34

    グラフが逆になってる気がしないでもなさげですね…


    No.720   投稿者 : CK   2005年3月 1日 16:22

    ●tooさん
    スミマセン、2枚目の図の上部説明書きの「有り」と「無し」が逆でした・・・ orz
    近々修正させていただきます。ご指摘ありがとうございます。


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