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2004/12/14 14:10 - 2004/12/14

車輪を3回発明したら何が残る? - 成果物と思考プロセスの関係 -

カテゴリ : コラム タグ :

    情報の整備が進んで、素人がセミプロになるまでの道のりは、すっかり舗装され
    高速道路 のようになっている。そういう道が用意されている世界では
    「それなり」まで辿り着くのは凄く簡単だ。ITの世界がまさにそうである。
    しかし高速道路を走りきったところに、「プロの大渋滞」 がある・・・・。
     
    そんなお話が各所で話題になっています。今日は、そんなお話です。
    きっかけは、現「はてな」CTOの伊藤直也さんが書かれたこの記事から。
     
    ■[梅田望夫・英語で読むITトレンド]
    伊藤直也さんゲストブログ「インターネット時代のエンジニアの価値」
    http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001893.html
    プロになるための高速道路が整備されたということは何を意味するでしょうか。それは、エンジニアの相対価値の低下を意味します。これまでその道のプロだとして希少性をもって価値を発揮していた人々は、後続の高速道路乗りたちにあっという間に追いつかれてしまいます。そこから先はもう大混雑。数歩先に抜きん出るのも大変な状況です。
    伊藤さんは記事の中で、高速道路が敷かれたということがそのまま
    「コモディティ化」を意味し、コモディティ化された技術だけをトレースしても
    競争力にならなくなる、だからこそ技術だけではなく、技術以外の柱も併せ持つ
    ことが大切だ、RPGでいえば「戦士」ではなく「勇者」になろう、と書かれています。
     
    それを受けた梅田さんの先日のエントリがこちらです。
    もはやどこにトラックバックを打って良いのか判らない状態ですが・・・。
     
    ■[梅田望夫・英語で読むITトレンド]
    梅田望夫さん「インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞」
    http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001909.html
    梅田望夫さん「高速道路を避けて生きることは可能か」
    http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001922.html
    自分には、先人たちの成果の最先端までたどりつくべく、わき目もふらずに「高速道路」を疾走するという気質・根性が、決定的に欠けていたのである(・・中略・・)そのかわり、いつも、何が何だかよくわからない生まれたばかりの世界のルールを見つけようとしたり、異質なものを二つ、三つ組み合わせて誰もやっていない世界を想像
    したり、そういうところばかりに関心があった。

    1つめのエントリで梅田さんは、高速道路のお話は元々将棋の羽生名人の言葉から
    受けていることについて、2つ目のエントリでは、梅田さんご自身が高速道路を
    「避ける」ことでビジネスチャンスを勝ち取ってきたことについて述べられています。
    一連のエントリは勿論、それにトラックバックを打たれている方々の考察も
    非常に興味深いものがありますので、是非記事を手繰って読んでみてください。
     
     
    さて、「高速道路」のお話を受けて、私が思うところを少しお話しようと思います。
    高速道路の例えは、やもするとネガティブな意味合いに、例えば昔言われた、
    「地球上の秘境は全て踏破された。もう冒険の余地は残っていないのか」のような
    コンテクストで捉えられてしまう可能性がありますので、念のため注意が必要です。
     
    「高速道路を 走るだけでは強みにならない のか?」
    これは概ね Yes でしょう。高速道路が敷かれているということは、
    やる気さえあれば誰でも短期間で追いつけることを意味しています。
    「自分の価値」は「自分と同じことができる人の数」に 反比例 する
    という原則がありますから、ある技術がコモディティ化すれば
    その技術で食っていける余地は減っていくのは間違いありません。
     
    「高速道路はアクセル全快で吹っ飛ばし、渋滞からが勝負だ
    これは Yes でしょうか? 私はこれ、あまりお勧めできないと思っています。
    高速道路を使えば目的地へのパスを一気に縮めることができますが、
    それを「考えなし」に行ってしまうと、過去に高速道路を作ってきた方々の
    試行錯誤のプロセス を自らに取り込めないまま進んでしまう恐れがあります。
    高速道路によって一気に「結果」だけを得るか、そこに至るまでの
    苦しみのプロセスを理解し吸収しながら進むか、その両者は決定的に異なります。
     
    その違いは、自らの手で 新しい高速道路を作ろうとした時
    突如として表面化するのです。
     
    一時期、「車輪の再発明 (reinventing the wheel) をするな」という
    ことわざがIT界隈で流行りました。時間と資金を掛けて苦労して作り上げたものが
    結果的にずっと前から普通にあるアレと同じなんて、そういう馬鹿らしい話はやめよう、
    在る物は最大限利用して、無い物を作り上げることに注力しよう、というワケです。
     
    もし、車輪の存在を知らずにせっせと苦労を重ね、出来たものがまた車輪だったとしたら、
    それはかなり無駄な作業になるでしょう。しかし、車輪がすでに在ることを認識した上で、
    車輪の詳細な構造を知ることや、その仕組みがどのような失敗の積み重ねから生まれたか
    を知ることは、非常に重要なコトです。同じ「車輪」という成果物を、その仕組みや背景を
    知らずして使うことと、知っていて使うことの間には、天と地ほどの差があるのです。
    なぜなら、そこで得られる知識というのは、高速道路の敷かれていない道
    どう走ってきたかという、先人たちの貴重な記録であるからです。
     
    思考実験をしてみましょう。車には振動を吸収するサスペンションがあります。
    サスペンションが無い車 というものを作ってみたら、車内はどれだけ揺れるのか、
    どれだけお尻が痛くなるのか、想像がつきますか? 確かに凄く痛そうですよね。
    では車輪はあるがサスペンションのない時代に自分が居たとして、頭をひねって
    サスペンションを編み出すことができたと思いますか? 謙虚に考えてみましょう。
    次に、実際にサスペンションを発明した人は、何故そんな発明に至ったのでしょうか。
    何をヒントにしたのでしょう? どんな方法を試して失敗を繰り返したのでしょう?
    こうした考察から、過去の人たちの成功と失敗の経験を次々に吸収していくことができます。
     
    もう1つ面白いことを考えてみましょうか。「車輪をあえて再発明」 してみるのです。
    例えば ハサミ。2本の刃が支点でクロスして紙を切ります。なんであんな形に落ち着いた
    のでしょうか。平行した刃で挟んで切るというやり方は無かったのでしょうか。
    輪っかに指を入れてホールドするという方式には何か意味があるのでしょうか。
    そんな風に「わざと違うアプローチを取った」ハサミの再発明を2、3回繰り返してみます。
    すると、普段何気なく使っていたハサミの各部位が、いかに試行錯誤の末に洗練されて
    きたものであるかを再認識することになるだろうと思います。
     
    舗装された道を高速で突き進むことは難しくありません。しかし、けもの道に出くわした途端
    急激にスピードが落ちて迷走してしまっては、自分も「渋滞の1人」に埋まってしまいます。
    そのときに必要になるのは、「けもの道を自分で舗装する力」です。しかし、舗装された
    高速道路を何の疑問も持たずに突っ走ってきたのでは、そうした力は生まれてきません。
    既に舗装されている道路はどうやって舗装されたのかを掘り下げて調べてみる、
    あるいは舗装されていない道路があったら試しに自分で舗装してみる、
    その好奇心溢れる試行錯誤の意欲と、膨大な先人の知恵の連鎖反応こそが、
    自ら新しい道を舗装し、渋滞から我先に抜け出すための有効な材料となっていくのです。
     
    全く同じコトを指摘されている方のエントリをご紹介しましょう。
     
    ■ccboyさん「情報ハイウェイ」(Web-Post.biz)
    http://web-post.biz/index.php?no=r13
    だが、そうして「答え」のみを手にした人のうち、どれだけがその「意味」を自分なりに理解しようと努力しただろう?どういう考え方の果てにその答えにたどり着くのか、
    その道筋を曲りなりにでも辿ってみただろうか?

    そういえば、数学の授業では良く「答えの丸暗記ではなく、解法のプロセスを学べ」
    と教わりましたよね。なるほど、現実の世界も同じだというワケです。
     
    上でご紹介した伊藤直也さんをはじめ、ご自身のことを
    「高速道路を走ってきた」と説明される方は沢山いらっしゃると思います。
    しかし聞き手の側はその「高速道路」の話だけを真に受けて、
     
    「よっしゃ!オレも高速道路を使って一気に差を詰めてやるゼ!」
     
    と考えてしまっては、おそらく 絵に描いたように 渋滞に掴まってしまいます。
    高速道路は辿り着く場所も要した時間も平準化します。しかし、走っている間に何を
    吸収したかによって、その後の「道無き道を走る力」には大きな差が生まれるのです。

    CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
    ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。



    投稿者 CK : 記事URL | コラム | | 2004/12/14 14:10


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